久元 喜造ブログ

御影公会堂にて。

きょうは、春の雨の中、御影公会堂にお邪魔しました。
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2月27日のブログ で書きましたように、神戸には、日比谷公会堂に匹敵するような公会堂はつくられませんでしたが、今も異彩を放っている公会堂が、東灘区の御影公会堂です。
国道2号線が石屋川を跨ぐ東側にあります。

御影公会堂が竣工したのは、1933年(昭和8年)。
当時は、兵庫県武庫郡御影町でした。
『続・御影町誌』(御影地区まちづくり協議会発行)によれば、
「竣工当時は、阪神間には千人収容のホールは無く、その大きさと優美な大理石とガラスを多用した第一級の建築物として名を馳せ」たと言います。

きょうは、初めて地下の食堂にお邪魔しました。
とてもレトロな雰囲気です。
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食堂を経営しておられる鈴木利裕さんのお父様は、公会堂オープンと同時に食堂を任され、鈴木さんが後を継がれました。
高校の大先輩です。

きょうは、名物のオムライス・セットをいただきました。
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鈴木さんから少し公会堂のお話を伺いましたが、公会堂を設計されたのは、神戸市の初代営繕課長をつとめた清水栄二氏とのこと。
1945年(昭和20年)6月の空襲により全焼しましたが、1950年(昭和25年)、御影町が神戸市に合併して東灘区が誕生したのを契機に、神戸市が修復を行いました。
しかし、当時はたいへんな財政難で、かなり時間がかかったとのことです。
1995年(平成7年)の阪神大震災でも倒壊を免れ、約1年間、避難所としての役割を果たしました。

御影公会堂を訪れるたびに、風雪、そして戦災、震災に耐えてきた独特の雰囲気に感慨を覚えます。
地域のみなさんの手で大切に守られてきた御影公会堂。
末永く地域に愛されるよう、外観に配慮しながら、耐震改修を進めることにしています。