久元 喜造ブログ

係長試験の改善方策

2月1日のブログ で24年前の神戸市係長試験のことを書きましたが、2月3日に、今年度の試験による選考結果が発表になりました。
神戸市の係長試験には、次の対象区分があります。
A選考:30代の若手職員
B選考:40代の中堅職員
C選考:50代の中堅職員

現時点での合格倍率は、全体で、2.6倍。
受験資格を持つ職員のうち受験した人の割合を示す受験率は、次のとおりでした。
          
A選考:合計 30.3% 男性 65.2%  女性 8.6%
B選考:合計 8.3%  男性  10.0% 女性 6.2%
C選考:合計 2.7%  男性 4.0%  女性 1.0%

全体としての受験率は高いとは言えず、とりわけ、女性の受験率は極めて低い水準にとどまっています。
職員の中の女性の割合は年々高まっており、平成26年度の神戸市職員試験の合格者のうち女性が占める割合は、全区分で、49.0%、このうち、大卒一般行政で、58.8% となっています。
このような状況を考えると、女性職員の係長試験受験率の低迷は、組織としてきわめて深刻に受け止めなければなりません。

そこで、人事委員会では、平成27年度から、次のような改善を行うことにしました。
まず、若年層の結婚、出産、育児などのライフサイクルに配慮し、A選考の受験開始時期を2年早めます。
また、日頃の勤務ぶりから係長としてふさわしいと評価できる職員を係長に登用することとし、40歳以上でA選考の受験資格を満たす職員を対象に、試験によらない選考区分を導入します。
このほか、B選考とC選考の統合、出産・育児を理由とした受験延期制度の拡充などを行います。

まずは、この成果に注目したいと思いますが、あわせて、係長の職務と責任、処遇のあり方、女性職員の勤務環境などについても、検討を進める必要があると感じています。