久元 喜造ブログ

KK神戸市時代の係長試験

金曜日、少し書類に目を通す時間があったので、改めて昨年寄せられた職員アンケートの一部を読み返していたところ、ある職員が昔の新聞記事のコピーを添付してくれていました。
「KK神戸市」「し烈な係長試験制」という見出しの記事で、平成3年11月25日の日付があり、全国の地方紙に掲載されたもののようです。

「神戸市では、どんなに有名な大学を出ていようと、どれほど能力があろうと、「係長試験」にパスしない限り係長以上には昇進できない。一生ヒラで終わる」
という書き出しで、係長試験が8-10倍の難関であること、そして、係長試験に何度も失敗して市役所を退職し、司法試験や公認会計士試験に合格した人がいるほど厳しかったことが記されています。

合格するために必死で勉強する職員たち。
夜10時ごろ帰宅して、午前2時まで勉強、通勤電車の中でもテープ学習、昼休みも弁当食べながら勉強、日曜は朝から夕方まで図書館で勉強・・・
記事は、勉強、勉強で埋め尽くされています。
まさに株式会社神戸市を支えた職員のみなさんの熱気が、この記事からいきいきと伝わってきました。

この記事から24年の歳月が流れ、この間、震災があり、時代は大きく変わりました。
残念ながら、係長試験を受けようとしない職員が増えており、活躍が期待される女性職員の受験率は、6%台に低迷しています。
より大きな責任を持った仕事ができるポストに就こうという意欲が凋んでしまった組織に未来はありません。

過去に回帰するのではなく、今の時代にふさわしい、新しいありようでの管理職登用が問われています。
人事委員会から、係長昇任制度の見直しについて報告を受けており、その成果に注目していきたいと思います。