久元 喜造ブログ

防犯カメラだけでは犯罪は防げない、されど・・・

長田区女子児童の痛ましい事件などを踏まえ、昨日、臨時記者会見を行い、防犯カメラ防犯ブザーに関する5300万円の補正予算について発表しました。

防犯カメラについては、今年度当初予算では、63カ所分、945万円(1カ所当たり上限15万円)を計上しています。
すでに申し込みを締め切っていますが、今回の事件を受けて、各地域から設置要望が相次いでおり、長田区内だけでも100カ所以上に上っています。
そこで、今回、約250カ所分に当たる4000万円を追加計上することにしたものです。
これで平成25年度に比べ、十数倍の予算が確保されることになります。

今日のほとんどの各紙朝刊に記事が載っていましたが、同時に、記者会見では、次のようなこともお話ししました。

・防犯カメラや防犯ブザーだけでは凶悪犯罪は防げない。しかしだからといって、これらの対策を講じるべきではないということにはならない。行政の立場から、犯罪抑止につながると考えられることは、速やかに実施に移していく必要がある、今回の措置は、その一環だ。
・凶悪犯罪が発生する社会的背景にも目を向けていく必要がある。そのひとつの要因として、都市の中の孤独、孤立があるのではないか。
・都市は匿名性の社会であり、放っておいてほしい、と考える人も多い。しかし、社会に背を向けながら、つながりを求め、助けを待っている人もいる。そのような緊張関係を意識しながら、「顔の見える地域社会」をどうつくっていくのか、いろいろなレベルで考えていきたい。
・とりわけ、子ども、高齢者などへの見守りは大切だ。いわば、「地域の眼」だ。これら人の眼に防犯カメラも加え、「地域の眼」を充実させていくという考え方はとれないだろうか。
・プライバシー保護の観点からは、自治会などに対し、記録媒体の提供などについてのルールを定めた規程の作成とその遵守を求めていきたい。

凶悪犯罪の抑止のために、行政としてやるべきことは、しっかりやっていきます。
同時に、さまざまな角度から建設的な議論が行われ、市民レベルでの行動につながっていくことを期待したいと思います。