神戸文学館 の企画展に行ってきました。
お恥ずかしいのですが、久坂葉子という女流作家の存在は、まったく知りませんでした。
1931年、川崎重工の創業者の川崎家に生まれ、ピアノ科に入学しますが、文学を志します。19歳のときの作品『ドミノのお告げ』」が芥川賞候補となり、次々に小説、戯曲などを発表していきました。
1952年の大晦日、阪急六甲駅で、阪急の特急電車に飛び込み、21歳の短い生涯を終えました。
ノートには、「浪漫、孤独、虚無、退廃」といった言葉が並びます。
存在感のある魅力的な容貌です。
仲間たちと打ち解けた、楽しげな写真もありました。
意識的に、コメディアンを演じていたのでしょうか。
自作『されこうべの恋』の中の、「私はコメディヤンです」から始まる一節が紹介されていました。
「久坂葉子は喜劇名詞です」
「久坂葉子の死は喜劇名詞です」
「しかし、久坂葉子の誕生は悲劇名詞です」
いつか、作品を読んでみたいと思います。(文中敬称略)