久元 喜造ブログ

これからの神戸空港-関西全体の発展のために

昨日、太田国土交通大臣は、 新関西国際空港会社 の「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等実施方針」を承認されました。
この方針は、関西国際空港及び大阪国際空港(伊丹空港)の、いわゆる運営権譲渡(コンセッション)に関する文書です
すなわち、両空港に係る運営権を設定し、民間事業者に空港の運営事業などを実施させることにより、その民間事業者が、そのノウハウを最大限活用しつつ、「投資に対する収益に関し自らリスクを取る統治体制に移行することで、より効率的で緊張感のある経営を実現できる仕組みを確立し、民間事業者の柔軟な創意工夫による、空港ビジネスの展開を可能」にしようとするものです。
このようにこの文書は、関西国際空港及び大阪国際空港(伊丹空港)に関する文書ですが、この中で、神戸空港について、次のような記述が盛り込まれました。

「運営権者は、神戸空港の管理を他に行わせようとする場合には、運営権者の下で同空港を一元的に運営することより、関西国際空港の国際空港の拠点としての再生・強化及び関西全体の航空輸送需要の拡大を図る目的から、神戸空港管理者と交渉を行うことができる」

神戸空港については、「神戸沖空港」の賛否をめぐって市民の意見が対立した時期を含む長い歴史があります。
さまざまな経緯を経て、神戸空港は2006年に開業しましたが、運営権譲渡に関する動きが本格化する中で、その対象は、関西国際空港及び大阪国際空港(伊丹空港)に絞られてきました。
このような経緯にかんがみれば、今回の実施方針において神戸空港についてこのような言及がなされたことは、神戸空港を含む三空港の一体的な運用に向けた取り組みを進める上で、大きな意義があると考えます。
まずは、両空港の円滑な運営権譲渡を見極め、神戸空港が、関西全体の発展に寄与することができるよう、しっかりと対応していきたいと思います。