久元 喜造ブログ

理化学研究所-落ち着いた研究環境の回復を。

思い起こせば、1月28日、STAP細胞に関する記者発表が行われてからの、小保方晴子さんに関するフィーバーぶりには、すさまじいものがありました。
私に対しても、アイドルとなった小保方晴子さんに、神戸市がもっと積極的にアプローチせよ、とのご意見をたくさんいただきました。

しかし、私は、このような動きや発想には違和感を覚えていました。
2月10日の記者会見(神戸市ウェブサイトへのアップは、2月18日)では、次のように答えました。

「私の個人的な印象を言えば、小保方晴子さんに関する報道、あるいはメディアでの取り上げられ方というのはかなり過熱していると思います。ご本人もネットで表明されていますけれども、静かに研究をさせていただきたいというのがご本心だろうと思うんですね。
私はもう少しその研究を見守りたいと思っています。 ・・・・冷静に研究をできるような、そういう静かな環境を提供するということが地元自治体としての務めではないかなと私は感じています」

STAP細胞に関するその後の経緯はさすがに予測はできませんでしたが、研究のあり方についての思いは、今でもまったく変わっていません。
科学技術に関する研究は地道なものです。
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター  は、基礎的発生生物学に留まらず、幹細胞研究や再生医療に関する最先端の研究拠点です。ips細胞による世界初の臨床研究への期待も高まっています。
理化学研究所は、STAP細胞について、説得力のある説明を国民に対してしっかりと行っていただきたいと思います。
そして、一日も早く、落ち着いて研究できる環境が回復されることを願ってやみません。