先週、マスコミ関係者のみなさんの懇談会があり、1時間ほどお話をさせていただいたのですが、その中で、東日本大震災が起きたときに選挙をどのように延期していったのかについて取り上げました。
2011年は、統一地方選挙の年でした。
3月11日、東日本大震災が発生したとき、4月10日執行の選挙の告示日が3月24日に迫っていました。
総務省選挙部では、地震発生のその日から、選挙を延期させるための特例法案の立案に着手、3月18日には閣議決定され、その日のうちに国会で成立しました。
この法律は、被災地における統一地方選挙の対象選挙を、最大6ヶ月、9月22日まで延期できるようにするものでした。
法律は、5月と8月に2回にわたって改正され、延期することができる選挙の対象を拡大するとともに、期限もさらに遅らせることができるようになりました。
このように、地方選挙については、法律で選挙期日を延期することができるわけですが、国政選挙についてはそうはいきません。
とりわけ衆議院の解散が行われたときは、解散の日から40日以内に総選挙を行うことが憲法で明記されているからです(憲法57条)。統一地方選挙のように、法律改正で延期させることはできないのです。
もし、衆議院が解散されている状態であの日を迎えていたとしたら、衆議院選挙の公示と選挙の執行を行うしかありませんでした。選挙実務は大混乱を来したことでしょう。
選挙期日は、為政者の都合で勝手に動かされることのないよう、明確に定められる必要があります。
東日本大震災、阪神・淡路大震災クラスの大災害が発生したときは、一定の範囲で国政選挙の期日を延期することができるようにするための根拠規定が、何らかの形で憲法の中に設けられるべきではないかと思います。