ようやく梅雨らしい日が続くようになりました。
きょうも、朝から雨が降っています。
雨が降り続く夜などに、ときどき聴く曲が、合唱組曲『水のいのち』です。
高野喜久雄:作詞、高田三郎:作曲。
演奏は、神戸市混声合唱団です。
5曲からなる合唱組曲の第1曲は、『雨』。
降りしきれ 雨よ
降りしきれ
すべて
立ちすくむものの上に
また 横たわるものの上に降りしきれ 雨よ
降りしきれ
すべて
許しあうものの上に
また 許しあえぬものの上に
いがみ合ったり、憎み合ったり、傷つけ合っても、本当は、最終的に赦し合うことができたら、それがいちばんよいのでしょうが、ときには、赦し合うことができないことがあるのは、人の世の常です。
そんな赦しあえぬ人々の上にも、雨は降り続けます。
子どもの頃、残念ながら、いさかいの多い家庭でした。
両親と祖父母は、最終的に、お互いに赦し合うことができなかったように思われました。
いま、両親は、住吉霊園に、祖父母は、追谷墓地に眠ります。
東京にいたときを含め、両方の墓にお参りしてきましたが、墓参りする日は、不思議に雨の日が多かったことを思い出します。
佇まいは、半世紀以上前からほとんど変わっていません。
雨の日の夕刻、ほかに墓参に訪れる人もなく、ただ雨が、祖父母の墓石の上に、五色の石の上に、水たまりができた墓道の上に、そして、墓地を囲む山々の上に、降り続いていました。