新聞の書評によると、ネット上のサイトに投稿されたホラー小説の書籍版だそうです。
神戸に住んでいる私にとり、タイトルにも興味を抱きました。
語り手の私、背筋は、東京在住のライター。
友人の小沢が消息を絶ち、情報提供を呼びかけるところから物語は始まります。
小沢は、勤務先の出版社の雑誌などさまざまな媒体からの抜粋を『近畿地方のある場所について』というタイトルの作品にまとめていました。
「ある場所」は、「県をまたいでいることもあり、呼称はすべて統一されているわけではありません」が、「地図を広げれば恐らく一筆書きに丸で囲めるであろう一帯」です。
「ある場所」の中にある土地の固有名詞は、すべて●●●●●と伏字で出てきます。
オカルト専門誌の別冊を担当することになった小沢は、過去のバックナンバーの全てに目を通します。
それらは、雑誌記事、月刊誌の短編、インタビューのテープ起こし、ネット収集情報などです。
行方不明になった少女、「まっしろさま」、謎めいた大量の張り紙、マンションから飛び降りる人々など怪異な出来事が次々に紹介さされ、それらのほとんどが、●●●●●につながっていきます。
そして新興宗教の集団が登場し、かつて●●●●●で起きた怪異な事件、そして鎮魂のために建立されたという神社へと話は続いていくのですが・・・・
ストーリーを追おうとする読み方が間違っていたのかもしれませんが、正直、物語の展開についていけず、特段の読後感を抱くことはできませんでした。
何回かに分けて読んだために理解できにくかったのだろうと思い、ざっと再読したのですが、ネットでの高評価にも関わらず、印象が変わることはありませんでした。