久元 喜造ブログ

なぜ高校生通学定期無償化なのか。


神戸市では、市内高校生が通学する高校が市内か市外かを問わず、月額12,000円を超える定期代の2分の1を補助しています。
高校生世帯の通学費は多額に上っており、少しでも経済的負担を軽減するためです。
令和6年度予算では、この助成措置を充実させる予定でした。

状況が大きく変わったのは、大阪府の高校授業料の無償化 です。
大阪府では、令和6年度に高校3年生から無償化を開始し、令和8年度には全学年が対象となります。
この結果、高校生世帯の経済的負担は、大阪府内と兵庫県内で大きな格差が生じることになります。
神戸を含む兵庫県内の子育て世帯が、小中学校の段階から大阪府に流出する可能性が出てきます。
賃貸住宅に住んでいる子育て世帯が持ち家を取得するとき、大阪府内に住む選択を視野に入れるでしょう。
そうすると、兵庫県内の高校志願者の減少を招きます。
教育水準を低下させ、これがさらなる志願者の減少、子育て世帯の流出・・・という悪循環も?!
悪夢です。
このような事態は、何としても食い止めなければなりません。

神戸には、公立・私立のたくさんの高校があり、神戸の大きな財産となっています。
教育機会だけではなく、街の魅力や活力の源泉ともなっています。
神戸の多様な高校教育環境を守ることは、神戸市の使命です。

そこで、市内在住の高校生世帯の経済的負担を軽減するとともに、多様な高校教育環境を守るため、市内の高校生が市内の高校に通学する場合に、所得制限を設けることなく全額通学費を公費で負担することとしました。
必要な予算案を神戸市会に提出しました。
現在審議が行われています。
可決されれば、9月の2学期のスタートを予定しています。