神戸市は、チャットGPTに関する条例を全国で初めて制定し、業務での利用の試行を開始しました。
このような神戸市の対応については、逆の方向からの二つの批判があるように感じます。
ひとつは、がむしゃらに利用を進めようとしているとの批判です。
例えば、ある在阪民放テレビは、私の記者会見を捉え、「久元市長は利用に前のめりです」と批判しました。
もう一つは、全国で初めて条例を制定したことを受け、役所的発想から利用をやみくもに規制しようとしているとの批判です。
神戸市は、利用に前のめりでも、規制優先でもありません。
チャットGPTには、仕事を効率化し、職員の想像力を引き出すなど大きな利用可能性があるとともに、虚偽あるいは不正確な情報の拡散といった大きなリスクがあります。
この突然現れたテクノロジーにはまだまだ未知の部分があり、今後も進化・変容を遂げていくことでしょう。
そうであれば、リスクを最小限に抑えた上で、限られた職員がまずは使ってみることが大事です。
一方、職員がチャットGPTに個人情報を入力し、それがネット空間で拡大していくことは、市民の権利を侵害するおそれがあります。
そこで、関係条例を改正し、職員による個人情報などの入力を禁止することにしました。
6月22日の 記者会見 を受け、翌日から、公募に応じた112名の職員による試行を開始しました。
チャットGPTは今さまざまな分野で大きな関心が寄せられていますから、職務の公正を阻害することがないように配慮しながら、開かれた議論を行い、利活用を進めていくことが大切です。
このような見地から、市役所の中で職員が試行する様子も公開することにしました。