久元 喜造ブログ

繁閑の差をなくさないといけない。


霞ヶ関の若手や中堅が次々に辞めていく現状を憂える声が高まっています。
日経新聞は、シリーズでこの問題を取り上げました。
離職の理由は、忙しすぎるということですが、問題は部署によって繁閑に大きな差があり、十分な対応がとられていないことです。
法律改正などを担当する部署は猛烈な忙しさですが、そうでない部署もたくさんあるのです。

自分の経験に照らせば、まさにそのとおりした。
東日本大震災のときは、不眠不休で対応に当たる部署がある一方、そうでない部署がたくさんあったのです。
政府全体の仕事の大半が震災への対応になったのは当然ですが、震災に関係のない部署には上からの指示や関与がなくなり、やることがなくなり、手持ち無沙汰で暇を燃す持て余している部署もありました。
全体としては、後者の方が多かったかもしれません。
私の知る限りでは、未曽有の危機であったにも関わらず、多くの府省では総動員体制はおろか、震災対応に明け暮れる部署への満足な応援体制すら取られなかったのです。
必死に頑張っているのに同じ府省内からの応援すら期待できないようでは、職員は疲弊し、やる気がなくなるのは当然です。

霞ヶ関の組織が硬直化する一方、自治体ではより柔軟な人員配置ができているように感じます。
神戸市では、必ずしも十分ではなかったところはあるかもしれませんが、コロナへの対応が始まった直後から、人事・組織を担当する行財政局の差配で、健康局への応援体制が組まれました。
ワクチン対応にも全部局の職員がローテーションで当たりました。
危機に際していかに最善のチームワークを構築できるかは、職員のみなさんの士気を確保する上でも大事な課題です。