新幹線に乗ると、「政府からお願い」として、テレワークが呼びかけられています。
テレワークが普及すると鉄道事業にはマイナスですから、政府広報に協力している鉄道関係の方々の心境には複雑なものがあるのかもしれません。
コロナとの戦いが始まって2年余り、テレワークの必要性が叫ばれ、広がってきました。
感染防止の観点のみならず、「場所を選ばない働き方」への関心が高まる中、テレワークに対するニーズは、会社にとっても、社員にとっても高まってきていることは確かです。
また、新規採用の場面でも、その会社がテレワークをしっかりとできる環境を用意してくれるのかどうかは、求職者側から見た重要な要素になっているとの話も聞きました。
一方で、業種、業態にもよりますが、テレワークに馴染まない、たとえば対面での業務が不可欠な職場があることも確かです。
会社などがテレワークを導入する際に、テレワークで働いている社員、対面での仕事をこなす社員が混在する中、どのようにコミュニケーションを確保し、チームワークを維持していくのかは、大きな課題だと思われます。
自治体においては、企画・調査やデータ処理などテレワークに馴染む業務や職場もありますが、窓口業務、交通、消防・救急、ごみ処理、バス・地下鉄の運行など多くの職場では困難を伴います。
コロナ対応の最前線にいる保健所のほとんどの業務は、実際に出務して行う必要があります。
このような状況を考えれば、少なくとも自治体においては、テレワークを積極的に推進するには限界があります。
社会全体を考えても、テレワーク普及のメリット、デメリットをしっかりと考える必要があるように感じます。