久元 喜造ブログ

水素エネルギー利活用が新段階に。


2月4日の日経新聞に、「神戸ポーアイ、水素供給」という見出しで、神戸における水素産業育成の取り組みが紹介されていました。
取り上げられているのは、ポートアイランドに整備が予定されている大規模な水素ステーションです。
神戸市が約1万平方メートルの用地を整備し、水素ステーションを運営する事業者を公募します。
水素エネルギーで走る自家用車やバス、トラックのほか船舶への供給を視野に入れた大規模な施設です。

神戸では、水素サプライチェーンを構築するプロジェクトが着々と進んでいます。
オーストラリアに賦存する褐炭から水素を製造し、日本に輸送する壮大なプロジェクトです。
日豪間の実験がすでに始まっています。
川崎重工業が建造した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が昨年12月24日に神戸港を出港しました。
オーストラリアでの実験を完了した後、この春にも神戸港に戻ってくる予定です。
神戸市は、神戸空港の近くに液体水素を荷揚げするための岸壁と施設を整備するなどこのプロジェクトに参画しています。

思い出すのは、市長就任間もない2014年3月、総理大臣官邸で開催された「経協インフラ会議」です。
都市インフラ輸出に関する閣僚会議でした。
このとき「水素エネルギーを活用したスマートコミュニティ構想」として、オーストラリアの褐炭に由来するCO2フリー水素を利用した事業展開を説明しました。
あれから8年近くが経ち、このプロジェクトが関係者各位のご尽力で確実に実現していることをありがたく感じています。
川崎重工業など日本企業の優れた技術がグローバルな規模で活用され、脱炭素化の取り組みにつながっていくことを期待しています。