歯と口の健康は、豊かな人生を送るために欠かせません。
歳を重ねても元気でいるためには、乳幼児から高齢者までライフステージに応じて、歯と口のケアを継続することが重要です。
上の図は3歳児健診における長田区のむし歯有病率の推移です。
2009年(平成21年)には4人に1人の子どもがむし歯にかかっていましたが、2020年(令和2年)には8人に1人の割合となり、約10年の間に大きく改善しました。
この背景には、「ハッピーむし歯予防事業」という長田区独自の取り組みがありました。
2011年(平成23年)に始まったこの事業は、区歯科医師会、神戸常盤大学、兵庫県立総合衛生学院、兵庫歯科衛生士学院と長田区がコラボして実施してきた取り組みです。
例えば、区と歯科医師会が協力して作成したリーフレットを母子健康手帳を交付するときや乳幼児健診(4か月、1歳6か月、3歳)の際に配布したり、歯ブラシを乳幼児健診時に配布したりしてきました。
神戸常盤大学、総合衛生学院、兵庫歯科衛生士学院のみなさんには、小学校・幼稚園・保育所・児童館に歯磨きの指導を行っていただき、子どもたちが効果的な歯磨きの方法を学んでいます。
こうした継続的な取り組みが目に見える成果となって現れたと考えられます。
このような取り組みを広げていくことが求められます。
妊婦の方が妊娠期間中に1回無料で歯科検査を受診できるようにしたのもその一例です。
健康な歯は一生の宝です。
特に乳幼児期のこどもの歯を守ることは、噛む・話すなどの口の機能を育てる上でとても大切です。
このような取り組みを幅広く展開し、子どもたちのむし歯予防につなげていければと考えています。