総務省にいたとき、大阪市の東京事務所の方が毎号を届けてくださいました。
この雑誌は、大阪市の外郭団体が発行していましたが、2011年度に廃刊となったようです。
いただいた「大阪人」の何十冊かは自宅に持ち帰り、神戸に持ってきて今でも書棚に置いています。
全国紙の神戸支社から大阪本社に異動される記者の方に差し上げたものもありますが、まだかなり残っています。
昨晩、夜遅く、久しぶりに何冊かの「大阪人」を開きました。
もちろん紹介されている情報はかなり前のもので、今では消えてしまったお店もかなりあることでしょう。
それでも、鮮やかな写真や味わい深い文章から、大阪の街の香りが立ち上ってくるようでした。
コロナ禍の前のことでしたが、「阪神なんば線」の特集号を手にして、阪神電車の西九条で降り、あてどなく散策したことがありました。
街の佇まいは新旧入り混じった雰囲気で、銭湯があったり、古いお店があったりして、子供の頃の兵庫区の光景が蘇ってくるようでした。
震災の被害をほとんど受けなかった大阪の街には、神戸よりも昭和レトロが残っているように感じました。
「大阪人」に紹介されていたお店には入らず、駅からだいぶ離れた辺りで、風情のある佇まいの居酒屋を見つけ、入りました。
店主は一見の客にも親切で、カウンターで雑談しながら独酌しました。
何か月かして二度目にこの店に行ったとき、隣の方と意気投合し、その方の行きつけのスナックに連れて行ってもらいました。
親切なママさんが一人でやっておられるお店で、優しい時間が流れていました。
コロナ禍も長くなり、何回か訪れた西九条の街の風景も、ずいぶん遠くなったように感じられます。