少し前のことですが、防衛省自衛隊滋賀地方協力本部による自衛官募集ポスターが物議を醸しました。
煽情的としか言えないようなデザインが批判を受け、結局は撤去に追い込まれました。
この問題では、セクハラかどうかが議論になったようですが、騒ぎの背景には別の要因があるように思えます。
それは、役所の広報担当者の間に広がる 「役所らしくない」広報をしたいという欲求 です。
マスメディアに取り上げられ、ネットでも話題になることに躍起になり、「役所らしくない」、過激なキャッチコピーやデザインに走る傾向です。
正直、あまり良いことではないと感じます。
過激さを求める傾向は、過激さを競う競争をエスカレートさせます。
全国の自治体が、煽られるかのように「役所らしくなさ」を競い合うのは、滑稽です。
行政の広報には、やはり品位と節度が求められるのではないでしょうか。
そんなに頻繁ではありませんが、「役所らしくないものを考えてみました」と言われ、中身を見ると、首を傾げざるを得ないものもあります。
大事なことは、大手広告代理店の全国画一的発想に踊らされるのではなく、自治体職員が自分の頭で考えることではないかと思います。
神戸市内には、優れたクリエイターやデザイナーがたくさんおられますから、地元のみなさんと自由闊達に議論してみることも大事です。
上の写真は、1月に市役所の市民ギャラリーで開催された展示の模様ですが、伝えたいものがまっすぐに伝わってくる内容でした。
ポスターなどの展示は、中島和也課長をはじめ住宅都市局耐震推進課のみなさんが、神戸の企画会社とコラボして考案したのだそうです。
デザイン的にも優れていると感じました。