来年度の組織改正で検討しているのが、「つなぐ課」の設置です。
組織と組織をつないで、政策課題に一体となって対応することができるようにするための取り組みです。
国でも地方自治体でも、縦割り行政の弊害は、頭の痛い問題であり続けてきました。
とくに国、規模の大自治体では、組織の階層が多く、細分化され、国民・住民から見れば、どこで何をやっているのかわかりません。
切実な課題を抱えて相談に訪れた市民や企業がたらい回しにされ、あちこちに足を運ばされたりしています。
神戸市でも、縦割り行政の打破を目指すための取組みは進めてきました。
「市民・職員協働プロジェクトチーム」のほか、庁内のプロジェクトチームを設置し、有益な提言を出してもらったことはありますが、結局は、各課室それぞれの施策として具体化されるという改善策にとどまってきました。
縦割り行政の抜本的な改革には、結びついていません。
新年度、企画調整局に設置を検討している「つなぐ課」は、定常的な仕事は持たず、ひたすら各局部、課室の橋渡しを行う組織です。
特定の政策課題に対して、どのような施策が行われているのか、それらが整合性のとれた形で、連携をとりながら実施されているか、市民に届いているかなどを点検します。
役所の中の行政組織を「つなぐ」だけでなく、市民、地域団体やNPOなどと行政を「つなぐ」役割も期待しています。
「つなぐ課」の職員に求められるのは、リサーチ能力です。
ある意味、記者のような取材能力が求められる仕事です。
まずは、ひたすら庁内、地域を歩き周り、丹念に取材し、問題の所在を明らかにしてほしい。
縦割り打破のため、是非、成果を上げていきたいと思います。