久元 喜造ブログ

災害時における水の確保


今回の豪雨で神戸市内でも被害が出ており、土砂の除去、道路の不通個所の解消などに全力で取り組んでいます。
同時に、大きな被害を受けた自治体に対し支援を行うことは、神戸市の大きな使命です。
緊急消防援助隊、保健衛生職員などのほか、給水応援隊など水道職員の派遣を行い、職員はこれまでの経験を活かし、頑張ってくれています。

神戸市では、23年前の阪神・淡路大震災で市内のほとんどが断水し、避難所でも悲惨な状況に陥りました。
この経験と反省の上に立ち、震災の翌年の1996年から大容量送水管の整備を開始し、20年の歳月をかけ、2016年3月に完成しました。
大容量送水管は、芦屋市との境界から神戸市内の市街地の地下を通り、兵庫区の奥平野浄水場までの延長約 12.8kmです。

水道水は、送水トンネルによって水道管に送られますが、送水トンネルが地震などによりが被災した場合には、大容量送水管が代替送水ルートとなり、バックアップ機能を果たします。
送水が停止した場合でも、管内に貯留された飲料水を応急給水に利用することができます。
市街地に立坑を利用した8か所の給水拠点から、約12日間分の飲料水を供給することができます。

このほか、市内には、半径2km毎に災害時給水拠点、54か所が整備されています。
配水池への緊急遮断弁の設置、配水管に大口径の管路を組み込んだ大容量貯水槽により、貯留された水を応急給水に活用し、約14日間分の水量を確保します。

このようにして、現在、神戸市では、全市民に対し、約26日分に相当する飲料水が確保できるようになっています。
引き続き、災害時における水の確保に万全を期していきます。