1000兆円にも積みあがった国の借金を前に、財政再建のために立ち上がった政治家、官僚たちのたたかいを描いたフィクションです。
前総理の辞任に伴い就任した江島隆盛総理は、国家予算の歳出半減を宣言します。
総理官邸に集められたのは、財務省の若手官僚たちでした。
題して「オペレーションZ」。
彼らは、財務省の事務次官、官房長などの幹部と微妙な間合いを取りながら、使命感に燃えてオペレーションを進めていきます。
チームの中心的役割を担う周防篤志は、母子家庭に育ち、苦労して大学を出て、財務省に入ったという経歴の持ち主。
そして、総理を内心見下している盛田正義大臣官房参事官の小心で傲慢不遜な態度と行動が、ロシアの動きとも絡んで異彩を放ちます。
歳出100兆円を半減するということは、24兆円の国債費は削れないので、残りの75兆円を25兆円にすることを意味します。
チームは厚生労働省に対し、年金、医療、介護保険給付費をゼロに、総務省に対しては、地方交付税交付金をゼロにすることを提案します。
周防は、気鋭の若手准教授宮城慧とともに、財政再建団体晴野市などを回ります。
「 潰せる市町村は潰して都道府県の統治下に」
「地方自治体に独自に税の徴収を奨励」
「カネではなく労力を対価にした地域コミュニティ創生」・・・
宮城は視察から得た考察をもとに、大胆な提案を連発していきました。
江島総理の歳出半減プランは与党からも反発が出て、閣僚からも辞任が続出します。
江島総理は衆議院を解散しますが、敗北。
政権は野党の民政党に移ります。
周防はナイジェリアに赴任し、財務省に残ったチームのメンバーには左遷人事が待っていました。