『定年後』という本が売れているそうです。
まだ読んでいませんが、定年後の人生は長くなっており、どう過ごすかに関心が集まっているからでしょう。
公務員の場合には、在職中の知識・経験を退職後において活用し、社会が抱える課題に取り組んでもらえるようにするという視点が必要ではないでしょうか。
神戸市がこのほど導入した「高齢者部分休業制度」は、いわば漸進的な退職準備で、なだらかに「定年後」の人生に移行できるようにするものです。
55歳に達した職員は、勤務時間の半分を超えない範囲内で休業できるようになります。
休業した時間は、無給となります。
ご自身の体調不良や親の介護などの場合もあるでしょうが、第2の人生を見据えて、これまで以上に地域活動などに積極的に参画してほしいという願いも込められています。
家族や地域社会のありようが変容する中で、地域ではさまざまな課題が噴出しています。
自治会、婦人会、民生委員、消防団、保護司などのほか、さまざまなNPOのみなさんが献身的に活動されています。
地域課題に民間事業として取り組むソーシャルビジネスも少しずつ広がりを見せています。
中高齢職員が「高齢者部分休業制度」を活用して徐々に勤務時間を減らし、勤務時間外の地域活動にシフトしていくことも考えられます。
ソーシャルビジネスの起業やNPO法人の設立、参画など多様な試みを期待したいと思います。
阪神・淡路大震災への対応など困難な仕事に立ち向かってきた豊かな経験を、それぞれのありようで地域社会に活かしていただきたいと願っています。