アライグマは、北アメリカ原産の動物です。
1970年代に、当時放映されていたテレビアニメの影響などから、ペットとしてアメリカから大量に輸入され、販売されました。
しかし、愛くるしい幼獣が成獣になると、凶暴になって飼いきれなくなり、野外に捨てられるようになりました。
全国で、農業被害や人家での被害が相次いでいます。
また、狂犬病など人への感染症を媒介する可能性も指摘されています。
神戸市では、鳥獣相談ダイヤルを開設していますが、動物の種類別の相談件数は、アライグマがトップになっています。
相談を受けた神戸市では、事業者に委託し、箱わなを設置して捕獲します。
箱わなは、市民のみなさんに管理していただきます。
アライグマは力がとても強く、箱わなは壊されないよう頑丈につくられています。
全国的にもアライグマの捕獲数は年々増加しており、各自治体は対策に追われていますが、神戸市のように市民の鳥獣相談ダイヤルへの通報から捕獲事業者への捕獲依頼といったワンストップサービスの体制を構築している都市は、ほかにはありません。
この結果、神戸市の平成27年度の捕獲数は、1,225頭で、さいたま市317頭、横浜市285頭などを大きく引き離しています。
アライグマが野生化し、被害を及ぼすようになったのは、アライグマを安易に輸入・販売し、無責任に捨てたり、不充分な管理により逃亡させた人間の責任です。
ある意味、アライグマも人間の得手勝手な行動の被害者であるとも言え、このようなことがほかの動物で起きることがないようにしなければなりません。