さきほど、参議院議員選挙と兵庫県知事選挙の投票に行って来ました。
私なりの国政、県政への思いを1票に託し、投票箱に入れました。
選挙後においては、参議院のあり方について、是非、議論を進めていっていただきたいと思います。
国会のあり方は、まさに憲法論になるわけですが、第二院のあり方と両院の関係は、ひじょうに重要なテーマです。
参議院のあり方の議論をするに当たって、たいへん参考となる研究書が、このほど刊行されました。
筑波大学大学院人文社会科学研究科の岩崎美紀子教授が執筆された『二院制議会の比較政治学 ― 上院の役割を中心に』(岩波書店)です。
制度のあり方を考える上で、諸外国の制度を比較し、研究することは有意義です。
本書においては、各国の制度比較を行う前に、二院制議会の分析の枠組みについて説明されており、どのような枠組で制度比較を行うのかの視点が明示されています。
岩崎教授は、①議院の構造(代表原則、選出方法、任期、定数など) ②一つの議院が可決した法案をもう一つの議院が可決しない権限 ③議院間関係 を挙げておられます。
分析対象国として選ばれたのは、カナダ、オーストラリア、イタリア、スペイン、ドイツの5カ国。
その後、日本、米国、フランスなども含め、各国横断的に比較分析が行われています。
岩崎教授は、二院制をとる主要国で、ふたつの議院の代表原則が同じなのは、日本だけだ、と指摘されています。
両院における代表原則をどう考えるのかは、参議院のあり方を考える出発点だと思われます。
もし、現行制度のように、両院の代表原則を引き続き同じとするなら、岩崎教授が指摘される、上記のそれ以外の論点について、突っ込んだ検討を行っていくことが必要になります。