9月11日の朝日新聞朝刊は、神戸市が行っている「オーバーナイト(一夜貸し)」を報じています。
「市から借金をしている法人は年度末に金融機関からお金を借り、いったん市に全額を返済。翌年度には市は再び法人に資金を貸し、それをもとに法人が銀行に返済」するやり方です。
この記事が指摘するとおり、問題があります。
このやり方をとれば、神戸市の負債の残高が減ることになり、見かけ上の財政指標がよく見えるからです。
この手法をとったのは、小学校は大規模校が国の補助対象外で、市立高校建設は元々市の単独事業であることから、厳しい財政状況の中で必要な学校建設に対して単年度での財源手当てが難しく、財政負担を平準化することが背景にあったようです。
私は、市長就任直後、この神戸市独自の財源調達手法は、これまでの経緯があるとは言え、財政規律上の問題があると指摘し、新規の学校建設は、神戸市が直接、市債を起こす方法に変更しました。
しかし、すでに建設された学校については、新たな資金の調達が必要になることから計画的に解消することにしました。
私は、将来世代へのつけ回しは持続可能ではないと考え(2015年11月13日のブログ)、事務事業の見直しなどに積極的に取り組んできたので、将来世代に負担を押しつけている自治体の代表選手として神戸市が取り上げられたことは、残念でなりません。
しかし「会計操作」の実態は事実なので、批判は批判として甘受いたします。
記事の指摘を率直に受け止め、ほかの「会計操作」についても、できるだけ早く解消したいと思います。