久元 喜造ブログ

杉原千畝「命のビザ」と神戸

先日、現在上映中の映画『杉原千畝』を観ました。
リトアニア領事代理の杉原千畝氏が、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ難民に対して、日本政府の指示に反し日本通過ビザを発給し続け、約6,000人もの命を救ったことが描かれています。
ユダヤ難民は、この「命のビザ」を携え、欧州からシベリア鉄道でウラジオストクに向い、福井県の敦賀にたどり着いたのでした。
映画には出てきませんが、このときのユダヤ難民と神戸との関わりについて、昨年、朝日新聞が報じていました。

「ユダヤ難民の多くは敦賀から神戸をめざした。・・・北野地区に拠点を構えていた神戸猶太(ユダヤ)協会が宿舎や滞在費を提供。戦前からユダヤ人コミュニティーがあった神戸で市民も協力した」(平成27年9月25日)
「福井・敦賀にたどり着いたユダヤ難民のうち、米国などへ渡航前に約4,600人が神戸に滞在し、今の神戸市長田区にあった教会の牧師らがリンゴを配るなどの支援をしたとされる」(同11月21日)

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上の写真は、当時リンゴを配られた牧師さんのお孫さんの斉藤真人さんから提供いただいたものです。
神戸新聞(2月1日夕刊)にも報じられていました。

当時の記録はほとんど残されておらず、神戸市が発行している「神戸市史」にも記載がありません。
私は、神戸が当時ユダヤ難民とどのように関わり、どう支援をしたのかを調べ、記録として残すべきではないかと考え、情報の提供を呼び掛けています(神戸市ホームページ)。
どのような資料・情報でも結構ですので、お知らせいただきますようお願いいたします。
すでに何件かの情報提供をいただいています。
ご協力に感謝申し上げます。