コミュニティデザイナーの山崎亮さんには、神戸市のデザイン都市創造会議に参画いただくなど、たいへんお世話になっています。
ご著書『コミュニティデザインの時代 自分たちで「まち」をつくる』(中公新書)を読みました。
随所に共感できるところが、たくさんありました。
たとえば、社会が「お客さん化」しているというご指摘です。
「すぐやる課」ではなく、つくるとすれば、「あなたと一緒にするやる課」だろう、と。
「主体的にまちへと関わる人たちの意識をとり戻さねばならない」と、山﨑さんはおっしゃいます。
そのとおりだと思います。
また、まちが寂しくなった理由のひとつとして、活動の「屋内化」を挙げておられるのも、慧眼だと思います。
人々が屋内で過ごす時間が長くなればなるほど、街のにぎわいが減るのは、当然の成り行きです。
地方から見ると、自分たちの街はにぎわいがなくなり、東京ばかりがにぎわっているように見えますが、東京でも人があふれているのは、スカイツリーなどごく一部の観光地で、シャッター通り商店街も都内にはたくさんあります。
街のにぎわいを取り戻すためには、我が国社会全体を覆う活動の「屋内化」への処方箋を、私たちは編み出していかなければなりません。
もちろん、コミュニティの再生は、単に街のにぎわいを超える大きな価値があります。
人と人とのつながりを回復させる活動の輪をどのように広げていくのか ― 本書を参考にしながら、行政の立場からも、試行錯誤を続けていきます。