神戸新聞連載の故 貝原俊民さん 「わが心の自叙伝」第35回(3月21日掲載)は、神戸市に関わるテーマでした。
「山手」と「浜手」 と題し、坂井、貝原両知事と宮崎、笹山両市長との関係について記されていて、興味深く拝読しました。
転じて、貝原さんは、大都市行政の課題について、
「私は、大震災のとき、大都市の制度的欠陥を感じた。それは、基礎自治体として、人口規模が大きすぎるということである」
と端的に指摘され、次のように記しておられます。
神戸市とほぼ同じ人口規模の阪神地域には、7市1町がある。大震災時には8人の首長が対応し、広域的なことは知事が所管した。それに対し、神戸市では、市長1人がほとんどの責任を持った。このことによる住民対応の密度に、大きな差があった。
第27次地方制度調査会で、大都市制度について議論が行われたとき、貝原委員が「大を小にする」必要性について発言されていたことを想い起こします。
貝原さんが、指定都市の分割・解体まで考えておられたのかは、判然としませんが、現行の指定都市制度について大きな疑問を持っておられたことは間違いありません。
神戸市が大きすぎるから解体すべきだという議論は、少なくとも私が市長になってから市会で行われたことはありませんし、そう考える市民のみなさんは少ないと思います。
神戸市の存在を前提として、「住民対応の密度」を上げて行くことが必要で、そのためには、区役所の権限・役割強化が不可欠です。
将来ビジョン、行革ビジョンを作成していく中で、来年度中には、具体策をまとめます。