久元 喜造ブログ

「特別自治市」について④(主張の合理性)

「特別自治市」の構想は、制度論として筋の通った、合理的な内容であると思います。
しかも、大阪都構想を実現するための「大都市地域における特別区の設置に関する法律」(大都市法)が施行されてからは、「特別自治市」の制度が地方自治制度の中に存在しないことは、バランスを欠いたものとなっています。

大都市法は、「指定都市解体法」とも呼びうる内容であり、一定の手続きを経て、指定都市を解体し、特別区を設置することができるようにする法律です。
そして、法律の対象は、大阪市に限られるものではなく、単独で200万人以上の人口を擁する横浜市、名古屋市および大阪市、そして、隣接市町村を含めれば200万以上となる札幌市、さいたま市、千葉市、川崎市、京都市、堺市、神戸市を含む市町村が対象となっています。

大都市法の法目的は、府県と指定都市の融合一体化です。 府県が指定都市の機能を併せ持つ、つまり、府県が指定都市を呑み込む形で融合一体化を図ろうとするものです。 国権の最高機関が、府県と大都市の融合一体化の必要性を認めたという点は重要です。

「大阪都構想」を具体化した大都市法は、大阪市には当てはまるとしても、人口規模や人口集中地区の状況などが異なる、ほかの都市に適用して、指定都市を解体する必要などまったくありません。
しかし、すでに大都市法は施行されているのですから、その存在を前提にして考えざるを得ません。そうであるなら、融合一体化のためのもうひとつの選択肢である「特別自治市」の制度化が図られるべきことは当然です。

繰り返し申しますが、神戸などの指定都市が解体される制度がすでに存在していることを前提にして、主張すべきは主張すべしということなのです。