久元 喜造ブログ

新幹線・ワゴン販売の終了


つい先日の10月31日、東京での用務を終え、夕方の新幹線に乗りました。
ちょうど夕食どきで、「駅弁屋 祭」で弁当を買い込み、車内でワゴン販売を利用しました。
車内放送は、ワゴン販売がきょうで終了すると案内していました。
一抹の寂しさを覚えますが、これも時代の流れで致し方ありません。
最近の人手不足も影響していることでしょう。

思い起こせば、新幹線の中での食事のとり方は、変遷を重ねてきたように記憶します。
だいぶ前は、東京での弁当のメニューがあまり充実しておらず、それぞれの駅で個性ある弁当が売られていました。
浜松駅のホームでは、うなぎ弁当が売られていて、たぶん停車時間が今よりも長く、急いで購入し、発車に間に合いました。

新幹線には、食堂車もありました。
1987年か88年のことだったと思いますが、当時、京都府庁に勤務していて、東京出張のとき、東京駅を発車するとすぐに食堂車に並びました。
発車して食堂が開くと、テーブルに座り、ビールとアテを注文、次に日本酒の熱燗を頼んで、一人飲みを楽しみました。
向かいの席には、会社勤めらしい男性がやはり熱燗をチビチビ飲っていました。
30分ほどお互いに無言で飲んでいたのですが、どちらともなく話が始まり、熱燗はどんどん進み、すっかり意気投合してしまいました。
お互いの仕事のこと、京都の街のことなどが話題になりました。
お嬢さんは、京都工芸繊維大学で学んでいるとのことで、大学の様子なども聞くことができました。
気が付くと、京都駅到着の予告アナウンスが流れました。
こんな客がいるから、食堂車の採算は上手く取れず、しばらくして廃止になってしまったのかと、改めて反省します。