2017年2月27日
から 久元喜造

模倣力、あるいは、自分を直す能力


少し前の教育助言会議で、ある先生から興味深い発言がありました。

どのような人物が教員にふさわしいか。
はじめから良い授業ができる学生ではない。
学生に授業をさせてみて、改善点などアドバイスや注意を与え、どのように進歩しているのかを見る。
最初からよく出来てはいるが、進歩が少ない学生よりも、最初はできが悪くても、注意や助言を受けて大きく改善が見られる学生を採用すべきだ。

含蓄のある指摘だ感じました。
先輩や専門家のアドバイスを聞いて、それらを取り込み、自分を直すことができる能力。
自説や自分のスタイルにばかりこだわらず、柔軟に反応することができる能力。
それはある意味で、  – ことがらを矮小化する恐れもありますが-  模倣する能力なのかもしれません。

模倣力というと、独創性や信念、あるいは良心の対極にある、何か後ろめたいイメージがありますが、そう決めつけるのはいかがなものでしょうか。
天才モーツァルトも、ハイドンやヨハン・クリスティアン・バッハの作品を研究し、模倣しながら自らの作風をつくりあげていったことが知られています。

今日、総合教育会議が開催され、私から、そんな教育助言会議での議論を紹介しましたが、教育委員会として、そのような試験方法は難しいとのことでした。
いくら問題提起しても、教育委員会事務局から返って来る答えは、自画自賛ばかりです。
人材獲得競争が激化している今日、たくさんの有為な人材に受験してもらい、研ぎ澄まされた眼力で人材を選抜していくことが必要です。
そのための労を惜しんではならないように感じます。


2017年2月24日
から 久元喜造

これからの「区役所」像

区役所サービスが大きく変わろうとしています。
まず、マイナンバーカードを使って、住民票、印鑑証明、戸籍の証明をコンビニエンスストアで取ることができるようになりました。
2月22日からは、所得証明も加わりました。
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また、今年1月には、東灘区で総合窓口を開設しました。
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これまでは、引越しなどで区役所の来られた時は、転入届、国民健康保険や介護保険、児童手当の手続きのために、あちこちの窓口を回必要がありました。
総合窓口の設置により、1か所の窓口で手続きを終えることができるようになりました。
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今後の区役所サービスのあり方は、マイナンバー制度を有効に活用することにより、さらに大きく変わると見込まれます。
まず、住民票などの証明書類は、コンビニでの受け取りが主流になります。
そのためには、市民のみなさんに、できるだけマイナンバーカードを取得していただく必要があります。

また、東灘区でスタートさせた総合窓口は、建替えを進めている北区役所、兵庫区役所、移転を計画している西区役所のみならず、すべての区役所に開設していきます。

区役所には、保育所への入所など子ども・子育て、ご家族の介護などさまざまな相談に来られる方々がおられます。
区の職員に自分の状況を良く聞いてもらい、適切な助言やサポートをしてほしい、と感じておられると思います。
少子高齢社会の中で、地域社会の変容に伴い、このような相談ニーズはもっと高くなることでしょう。
そこで求められるものは、真摯にお話しを聞く姿勢、専門知識に裏打ちされた的確な判断です。
こうした部門に、専門的知識を持った人員をシフトさせていきます。


2017年2月20日
から 久元喜造

中央区市民課の体制強化

今日の神戸新聞に、中央区役所の体制強化に関する記事が掲載されていました。
中央区役所に来庁した外国人の窓口手続きを手助けするため、語学が堪能な外国語対応専任スタッフを配置するという内容です。

「役所の手続き 心配無用」とのことですが、事態は、そんなに生易しいものではありません。
中央区役所市民課の対応は、限界にきています。
私は、昨年暮れ、中央区役所を訪れたとき、市民課のフロアにエレベーターが止まり、我が目を疑いました。
昼休みに、ものごすごくごった返しているのです。
聞いてみると、4月初旬前後の繁忙期には、とんでもない待ち時間が発生しているとのことでした。

さっそく対応をお願いしましたが、人事当局は動きません。
私は、御用納めの庁内挨拶で訴えました。
「どうして長年、中央区でこのような事態が放置されてきたのか、私には理解できません」
「庁内で情報伝達のパイプがあちこちでつまっているとしたら、みんなで直していこうではありませんか」

人事配置の変更を極端に嫌がる人事当局との「交渉」は難航を極めましたが(いつものことです)、何とか、外国人のみなさんへの対応を含め、最小限の体制強化につなげることができました。
日本語がわからない外国人が来庁されるたびに、事務が滞り、次に待っておられる方にご迷惑をかけているとのことでしたので、今回の対応はそれなりの効果を発揮すると期待されます。

しかし、これで繁忙期を本当に乗り切れるのでしょうか。
もし、不十分であれば、今度こそ、人事当局の抵抗をはねのけ、抜本的な対応を図っていかなければなりません。
すべては、私のリーダーシップの不足の故です。


2017年2月16日
から 久元喜造

生まれ変わるメリケンパーク

市民、観光客のみなさんに親しまれている神戸の名所、メリケンパークは、神戸開港120年の年、1987年(昭和62年)にオープンしました。
30年の歳月が流れ、神戸港開港150年の記念事業としてリニューアルを図ることとし、現在整備を進めています。
きょうの昼休みに覗いてみましたが、順調に工事が進んでいるようでした。

すでに、老朽化していた「ヤマト1」「疾風」は撤去され、海と空が大きく広がっています。(2016年11月10日にブログ
今回のリニューアルでは、海を眺めながらゆっくり散策し、くつろいでいただける空間となるよう、芝生広場を拡張するとともに、桜並木も整備します。

全国の都市でも比較的少ない、海辺の桜の名所になると期待されます。、
西日本最大級の店舗面積を有するスターバックスもオープン予定です。

みなと神戸海上花火大会をはじめ、さまざまなイベントを開催できるよう、オープンスペースを拡張し、新しい屋外ステージも設置します。

メリケンパークは、神戸を代表する夜景スポットでもあります。
すぐに近くにはライトアップされた神戸ポートタワーや海洋博物館があり、山側には「市章山」「錨山」の明かり、海を眺めれば新港第1突堤や神戸大橋のライトアップを望むことができます。
さらに夜景の魅力に磨きをかけるため、水際沿いの手すり照明、デザイン照明によるカラーライティング、桜並木などの樹木やフィッシュダンスなどのモニュメントへのライトアップを行い、色彩豊かな光の演出を行います。

生まれ変わったメリケンパークのオープンは、4月を予定しています。

 


2017年2月13日
から 久元喜造

神戸の夜をどう開拓するか。


神戸都市文化フォーラム」は、神戸をこよなく愛する人たちが、それぞれの立場をこえて、神戸のまちの現状や未来について互いに学び合い、語り合う場として、昨年10月に開設されました。
第2回のフォーラムが、以下のとおり開催されます。

平成29年3月9日(木) 18:30 ~ 20:30
勤労会館3階 308会議室
神戸市中央区雲井通5-1-2

テーマは「ナイトカルチャー・ナイトメイヤー施策」。
講師は、弁護士の斎藤 貴弘さんです。

世界のあちこちの都市で、「夜は都市に残された資源である」という視点に立ち、夜の都市文化の醸成、街の活性化に向けた取り組みが進められています。

神戸でも、神戸の夜をもっと楽しくできないかという議論が従来から行われてきたところであり、とても期待ができるフォーラムです。

フォーラムにご参加いただくには、「神戸都市文化フォーラム」への入会が必要です。
入会ご希望の方は、 こちら よりご登録ください。
会費は、法人(団体)会員が、年額1万円、個人会員は、年額2000円です。


2017年2月11日
から 久元喜造

『ひとびとの精神史 バブル崩壊』

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バブル」と呼ばれた時代とその崩壊は、いったい何だったのだろうと、今でも想い起します。
本書は、バブルが崩壊した1990年代、時代を駆け抜けていった11人の人物を取り上げます。
それぞれの方々とつながりがあり、あるいは、注意深くウォッチしていた執筆者により、人物像と時代が浮き彫りされます。

そしてこの時期、神戸ではあの震災がありました。
本書では、島田誠氏により、草地賢一氏(1941 – 2000)の活動、人となり、想いが綴られます。
「神戸からボランティア元年を拓く」のサブタイトルが付けられています。

震災が起きた1995年、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きました。
オウム真理教を擁護したと批判された、島田裕巳氏も取り上げられています。
私の仕事の関係で言えば、現在、全国でただ一つの財政再建団体、夕張市の市長を6期24年務めた、中田鉄治氏(1926 – 2003)の市政に関する記述も、興味深く読みました。

冒頭に登場するのは、山一証券の吉田允昭氏(1938 – )です。
取締役営業企画部長に就任すると、バブルを当て込んだ「営業特金」の廃止を主張して会社を去りました。
ほかに、『ゴーマニズム宣言』の小林よしのり氏、ジャーナリストの筑紫哲也氏(1935-2008)に関する文章も、読みごたえがありました。


2017年2月9日
から 久元喜造

子育て応援サイト「ママフレ」リニューアル

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神戸市では、子育てに関するサイト 「KOBE子育て応援団」ママフレ を開設しています。
平成24年10月から、NPO法人との連携で運営しているサイトです。
このほど、サイトの全面再構築を行いました。

子ども、子育ては、神戸市がもっとも力を入れている分野ですが、さまざまな施策が、市民のみなさん、とくに子育て中のお母さんに十分届いていないのではないか、と感じることがよくありました。
少しでも、行政の立場からの施策説明ではなく、市民目線に立った情報発信をしたいという発想からのリニューアルです。
たとえば、探したい年齢・カテゴリー・状況を選んでボタンをクリックすると、その年齢で使える施策が表示されるようにしました。
「妊娠前半」「妊娠後半」「出産時」、そして年齢ごと、「就学前」「就学後」のタブをクリックすれば、その時期にふさわしい施策やサービスがごらんになれます。

トップページのデザインも、イラストや写真を活用したものに一新し、市内で子育てをしている保護者の方へのインタビューを掲載しました。

どんなにいろいろなメニューを用意しても、それらを知っていただき、使っていただけるようにしなければ意味がありません。
情報がネット上で氾濫している今日、必要な情報を、必要としているみなさんに届けることはそう簡単ではありませんが、今後とも、改善を加えていきたいと思います。
是非、訪問してくださいますよう、お願いいたします。


2017年2月6日
から 久元喜造

市長になってからの仕事

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2013年(平成25年)11月20日に神戸市長に就任してから、3年2か月余りが過ぎました。
選挙のときにお約束したことがどのように進んでいるのかについて、 久元きぞうウェブサイト に記しましたので、ご覧いただければ幸いです。

この3年余りの「主な実績」、前回選挙時の「政策・公約の実施状況」を加えるほか、「基本姿勢」に「政治理念」を加えるなどの更新を行っています。

さらに、現在編成中の平成29年度予算においても、前回選挙でお約束した 「政策・公約」の中で、まだとりかかることができていないもの、達成状況が不十分なもの、「政策・公約」では触れていなかった事項で市民生活の充実や神戸の発展のために必要なものなどについても、積極的に予算を計上する方向で編成を進めています。

お約束した事項については、残された任期の中で可能な限り実現し、あるいは着手することができるよう、全力で取り組んでいきます。


2017年2月3日
から 久元喜造

瀬戸内 地魚の魅力

周囲を海に囲まれた我が国の沿岸部は、どこでも海の幸に恵まれています。
それでいて、身近な魚介類に意外と目が向いていないのではないでしょうか。
世界中からマグロを買い集めるのも悪くはないかもしれませんが、もっとすぐ近くで獲れる魚介類も味わいたいと、ときどき思います。

神戸の須磨、垂水から淡路島に至る海域は、おそらく、日本で最もおいしい魚介類が獲れる場所のひとつです。
蛸、鯛、鱧、穴子、鮃、車海老などが有名ですが、あまり知られていないけれども美味しい魚がたくさんあります。
下の写真は、明石で獲れた「タモリ」。
蒸していただきましたが、とても美味でした。
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次は、淡路のマナガツオ。
かなり脂が乗っています。
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瀬戸内には、ほかにも好漁場がたくさんあります。
愛媛沖で獲れた、胡椒鯛の刺身。
真鯛とは、また違った味わいです。
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瀬戸内の海の幸は、ものすごく多彩です。
あまり出回らない珍味があり、もっと知られてもよいのではないでしょうか。

「食都KOBE」の発展可能性はいろいろありますが、瀬戸内の地魚を使ったさまざまな料理が味わえることを、もっとアピールしてもよいのではないかと思います。


2017年1月28日
から 久元喜造

崎谷明弘 ピアノ・リサイタル

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きょうの土曜日は、ハーバーランドの松方ホールで開催された、崎谷明弘さんのピアノ・リサイタルを聴かせていただきました。
平成28年度神戸市文化奨励賞を受賞された若手ピアニストですが、すでに大家の風格を湛えた名演でした。

プログラムは、前半が ベートーヴェンの作品で、創作主題による32の変奏曲、そして《悲愴》《熱情》の2曲のソナタが続きます。
後半は、 ブラームスのシューマンの主題による変奏曲、そして、リストのスペイン狂詩曲で締めくくられました。
ブラームスの変奏曲の主題は、シューマンの《色とりどりの作品》の第1曲から取られており、ベートーベン、シューマンからブラームス、リストへの時代の流れが明確に感じ取れるプログラム構成となっています。

作品と作曲家の個性が明確に伝わってくる演奏でした。
とくに、後半のブラームスとリストでは、明らかに演奏アプローチが異なっていることがわかりました。
ブラームスの作品は、後期のピアノ作品とはかなり異なった世界で、謎めいた響きを取り去ったシューマンの音楽のように感じられましたが、いくぶん抑制された演奏アプローチから、この曲の雰囲気が伝わってきました。
次のリストでは、一転して多彩なタッチが連続的に繰り出され、目が眩むような世界が現出して、聴き手を圧倒しました。
アンコールは、リストの小品かと想像しましたが、ドビュッシーの「月の光」。
これまた世界が一変し、何とも微細で柔らかな響きが会場を支配しました。
素晴らしいピアノの世界を堪能させていただき、 ありがとうございました。