2017年5月21日
から 久元喜造

神戸国際フルートコンクール ガラ・コンサート


第9回神戸国際フルートコンクール」がいよいよ5月25日に開幕します。
世界18か国・1地域から神戸に集まった約50名のフルーティストが、世界の頂点を目指してその音色を競い合います。

昨日、5月20日の神戸新聞に、神戸国際フルートコンクールのガラ・コンサートと祝賀パーティーの全面広告が掲載されていました。
「神戸国際フルートコンクール応援実行委員会」(委員長:道満雅彦オリバーソース㈱代表取締役社長)による企画です。
コンクール最終日の6月4日(日)、神戸ポートピアホールで開催されます。

「ガラ・コンサート」には、ソプラノ歌手の幸田浩子さんやスーパーキッズ・オーケストラが出演され、お祝いにふさわしい華やかな音楽が繰り広げられます。
引き続き、神戸らしい華やかな演出でコンクール入賞者を祝福し、世界的な音楽家と交流のひとときを過ごしていただくため、「祝賀記念パーティー」が開催されます。
パーティーには、前回のコンクールで第1位に輝いたセバスチャン・ジャコー氏の演奏やジャズの演奏など、神戸らしさを生かしたお洒落な内容が企画されていると伺っています。

実行委員会のこうした取り組みは、4年後の神戸国際フルートコンクールの開催を目指し、ガラ・コンサートや祝賀記念パーティーの開催を通じて得られる収益を、全額、神戸市に寄附することを目的としておられると承知しています。
心より、感謝申し上げます。
これまで8回のコンクールではなかった試みであり、たいへんありがたく感じております。


2017年5月17日
から 久元喜造

NYタイムズのコラム「ネット中毒」


少し前のことになりますが、4月3日の朝日新聞に、ニューヨークタイムズのコラムが転載されていました。
タイトルは、「スマホ規制 あなたを取り戻す」
著者は、ロス・ドゥザット氏。

あなたは、インターネットのしもべだ。・・・若い人ならもちろん、年配の人でもますます、メールやツイッター、フェイスブック、インスタグラムを頻繁にチェックしたい衝動に支配されている」

「衝動が無害であることはめったにない。・・・小さな画面にたえず集中することを強いる。配偶者や友人、子ども、自然、食事、芸術といった昔ながらの恵みを、常に気が散っている状態で感じざるを得なくなる」

「分別ある使い方をすれば、ネットは新たな恵みをもたらしてくれる。だが、私たちは機器を使うのではなく、使われている」

「・・・こうした機器は中毒になるように作られている。私たちを狂わせ、気を散らし、刺激し、そして欺くのだ」

ドゥザット氏は、ネットが、「自己愛を増長させ、疎外感や鬱を生み、想像力や熟考に利するより害する方が大きい と考えるに足るだけの根拠もある」とし、デジタル規制、「特定の製品を適切に機能させようとする自制の文化」を主張します。
全体的に、ネット社会に厳しすぎるという気もしますが、「児童には、研究でインターネットが必要になるまで本で学習させよう。仮想空間に取り込まれるまでは現実世界で遊ばせよう」という主張には一理あると感じます。

ネット社会の中で、子供たちがどのように健全に育っていくことができるのか、しっかりとした議論が必要です。


2017年5月13日
から 久元喜造

「松の根は岩を砕いて生きていく」


歌手のペギー葉山さんが逝去されました。
「学生時代」「雲よ風よ空よ」などとともに懐かしく思い出される曲が、NHKの連続テレビドラマ「次郎物語」の主題歌です。
小学生だった、昭和30年代後半に放映されていたように思います。
いろいろな困難や、今風に言えば、周囲からのいじめにもめげず、逞しく成長していく少年を描いたドラマでした。

メロディーは覚えていますが、歌詞はほとんど忘れてしまいました。
その中で、次の一節が、なぜか記憶に残っています。

次郎 次郎 みてごらん
松の根は岩をくだいて生きて行く

そして、こんな一節もあったように思います。

ひとりぼっちの次郎はころぶ
つんつんつんつん凍った堤

もう10年以上前のことになりますが、親しくしていた後輩が、苦労の多いことで知られる、ある自治体に赴任するとき、酒を注ぎながら、
「いろいろなことが原因で、転ぶこともあるかもしれないが、何度でも転んだらいい。転んでも転んでもまた立ち上がって前に進んでいく姿を何度でも何度でも見せれば、周りは変なことをしなくなるかもしれないよ」
と、アドバイスをしましたが、そのとき、この一節を想い起していたように思います。

ときどき、全体の歌詞は忘れてしまったので、「ひとりぼっちの次郎はころぶ」、「次郎 次郎 みてごらん」、「松の根は岩をくだいて生きて行く」の一節を口ずさむます。

先日、2年ぶりに丹生山に登る途中で、松ではありませんが、歌詞の一節を思い起こさせる木の根を見つけました。
澄んだ空気を深く吸い込み、大きな元気をもらいました。
それにしても、松の木は、ずいぶん少なくなってしまいました。


2017年5月11日
から 久元喜造

昭和42年水害から半世紀


神戸は、しばしば大きな水害、土砂災害に見舞われてきました。
とくに、半世紀前の1967年に発生した昭和42年災害は、折に触れ想起する必要があります。

昭和42年7月9日、熱帯低気圧となった台風7号が梅雨前線を刺激し、集中豪雨をもたらしました。
神戸市内で、死者・行方不明 92名の大きな犠牲者を出しました。
床上浸水 7,819世帯、床下浸水 29,762世帯、全壊・流出 361世帯に及びました。
とくに、葺合区市ケ原では、世継山の西側斜面が大規模に崩落、一瞬のうちに山麓の民家数戸と葺合警察署市ケ原駐在所を押しつぶし、21人が生き埋めになりました。

当時私は、山田中学の2年生で、たまたま湊川に遊びに来ていたのですが、帰宅しようと思って神戸電鉄湊川駅に行ってみると、ホームに止まっていた電車が完全に水没していました。
神戸電鉄も大きな被害を受けて不通になり、全線で運転を再開したのは、7月17日朝のことでした。

臨時バスが運行されることになり、西宮の山口を通り、数時間かけて鈴蘭台の自宅に戻ったのを思い出します。

遡れば、1938年(昭和13年)の阪神大水害は、616名の死者・不明者を出しました。
昭和42年災害の雨量は、これに匹敵する量でしたが、市内の浸水区域の面積は、阪神大水害の浸水区域に比べ、約1/5に縮小しています。
また、阪神大水害で大きな被害が出た住吉川、都賀川、生田川ではほとんど浸水は生じませんでした。
この間に実施された治山治水事業が一定の効果を発揮したと言えます。

神戸市では、当時の画像 などを公開し、各種事業を実施しますので、 ウェブサイト をご覧ください。


2017年5月7日
から 久元喜造

東遊園地の芝生 再び!



冬から春にかけて消失していた東遊園地の芝生が復活し、連日、大勢のみなさんが訪れています。
この黄金週間にも、「078」、「ファーマーズマーケット」が開催され、大賑わいでした。

振り返れば、本格的な芝生化の実験を開始したのは、昨年6月でした。(2016年6月14日のブログ
東遊園地では、追悼式典やルミナリエなどさまざまな行事が行われるため、 芝生が損傷することは、初めから予想されていました。
このため、芝の種類や保護材、土壌改良材を組み合わせた10以上のパターンを用意し、日常的な利用や大規模イベント時における芝生の損傷具合、その後の回復状況などを検証することにました。
うまくいく保証はありませんでした。

案の定、冬を越すと、芝生の葉や茎が擦り切れて、元の地面が露出してしまいました。

今年の1月、芝生の根や地下茎がどの程度残っているのか調査をしたところ、夏芝の種類によっては、かなりの部分が残っていることがわかりました。
そこで、この芝生を回復させるため、3月から地下に空気を送るエアレーションという作業を行い、さらに冬芝の種を播き、上部にシートを張って養生しました。
その結果、緑の芝生が復活したのです。
公園部のみなさんの努力に敬意を表します。

ただ、冬芝は暑さに弱く、夏が近づくにつれ衰退していくため、替わって、地下部に残っている夏芝を育成する必要があります。
このため、5月末からグラウンドを一時閉鎖することについて、ご理解をいただきたいと思います。
順調に生育すれば、夏休み前には再びオープンできると見込んでいます。
引き続き、東遊園地の芝生化実験に取り組んでいきます。


2017年5月3日
から 久元喜造

憲法・地方自治法施行70周年

きょう、5月3日は、憲法記念日です。
日本国憲法は、1947年5月3日に施行されました。

最近の議論では、現行憲法が一度も改正されていない理由として、憲法の規定が概括的、抽象的であり、具体的な内容の多くを法律にゆだねていることがよく指摘されます。
「地方公共団体の組織及び運営に関する事項」がその典型で、「地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」とされています。
そして、この規定に基づき、地方自治法が制定され、憲法と同日に施行されました。

全体として簡素な憲法の条文ですが、その中にあって、憲法でここまで規定する必要があるのかという議論があるのが、長の直接公選です。
憲法には都道府県や市町村すら登場せず、その権能について何の規定もないのに、長の直接公選を一律に定めているのは奇妙です。
この点については、知事の直接公選を実現するというGHQの強い意志が働いたと考えられています。

地方自治法は、憲法の規定を前提に、いわゆる二元代表制の制度を定めていますが、法律レベルで別の構造を定めることは可能です。
総務省自治行政局長のとき、地方行財政検討会議 の場で、長を直接公選にした上で、「純粋二元代表型」「議員内閣型」「自治体経営会議」など多様なモデルを提案し、活発な議論を期待しました。

しかし全国知事会は、「パンドラの箱を開けるような議論になる」と及び腰で、議論は深まりませんでした。
地方自治法は画一的、と、日ごろさんざん批判しておきながら、抜本的な検討を呼びかけると、たちまち腰が引ける全国知事会の姿勢に、たいへん失望したのを思い出します。


2017年4月29日
から 久元喜造

空家・空地対策・この1年


神戸市の空家の比率は、直近で、13.05%。
全国平均(13.52%)に近い水準です。
こうしたことから、私は、市長就任以来、空き家対策に力を入れてきました。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の成立にも全力で取り組みました(2014年11月21日のブログ)。
この法律の施行を受け、昨年4月、全庁的な実施体制を整えました。
その後、新しい条例も制定し、樹木が繁茂した迷惑空家・空地なども対象に追加しました。

こうして本格的な空家・空地対策を始動させてから、1年が経ちました。
「近所の空家の屋根瓦が通学路に落ちてきそうで危ない」
「隣の空地から張り出した樹木の枝が我が家に当たって迷惑している」・・・
といった通報は、空家に関するものが455件、空地に関するものが294件でした。

これらに対し、神戸市では、改善の指導、勧告、命令、代執行などの措置を講じてきました。
次の写真は、長年放置されてきた老朽家屋です。

神戸市の指導により、撤去されました。

全体の改善件数は、平成28年度は、269件でした。
前年度が115件でしたので、着実に取り組みは進んでいます。

残念ながら、神戸市からの度重なる改善指導にも応じない所有者が少なからず存在する一方、相続手続きがなされないまま長年放置されてきたものもかなりあります。
正直、苦慮する案件が多いのは事実ですが、関係職員も頑張ってくれており、粘り強く、またスピーディーに対策を講じていきたいと考えています。
所有者が不明のケースにも対応できるよう、引き続き、国に制度改正を求めていきます(2017年4月6日のブログ)。


2017年4月25日
から 久元喜造

バスロケーションシステムがスタート


神戸市では、4月1日から、市バスのロケーションシステムのサービスを開始しました。
スマートフォンやパソコンの画面で、バス停への接近情報を確認することができます。
以下のURLに直接アクセスすると、使えるようになります。

https://location.its-mo.com/kobe/

QRコードを読み込んで利用することもできます。

ご利用になるバス停名や系統を指定すると、乗ろうとしているバスが現在どこにいるのか、バス停にあと何分で到着するのかを確認することができます。
もし、バス停でスマホを持っていない人が、バスの到着を気にしていたら、情報を教えてあげていただければ幸いです。

どこか目的地に行く際の経路を調べたいときは、スマートフォンやパソコンで「KOBE乗継検索」を利用していただければ、経路検索もできます。

今年は市営交通が始まって100周年の節目の年で、市民の足である市バスではさまざまな取り組みを進めています。
今後、このバスロケーションシステムの通信システムを活用して、デジタルサイネージの設置や見守り支援を行う、第2弾の実証実験も予定しています。


2017年4月22日
から 久元喜造

川崎草志『崖っぷち役場』


愛媛県の架空の町、南予町が舞台。
もちろん、といっては失礼ですが、「消滅可能性都市」にランキングされています。

主人公は、町役場に就職して2年目の沢井結衣。
松山出身ですが、祖母が昔から住んでいる南予町に移り住み、スクーターで役場まで通勤しています。
彼女の配属先は「推進課」。
前町長がつくった組織です。
役場職員出身の前町長は、「まじめに町の再興を図り、こつこつと無駄を削り、地道に産業を育て、南予町の状況を改善しようとして」いました。
「毎晩、自宅で遅くまで仕事をしていた」町長は、自宅の机に俯したまま急死。
「東京の有名大学を出て企業につとめていた」本倉町長が就任します。

外部出身の本倉町長は、「毎月のように新しい提案を町役場の各部署に持ち込み」ます。
本倉町長のことを陰で『ぼんくら町長』と呼んでいる職員は、町長の提案を、「前向きに検討します」とか、「法規によると困難です」とかの、公務員お得意の対処で流していくのですが・・・・

過疎と人口減少に悩む南予町を舞台にした、7つの短編小説。
観光資源の開拓、路線バスの廃止、高齢者の徘徊、新旧住民間の葛藤、空き家問題・・・・地域が抱える問題がテーマになっています。
自治体で仕事をしている者から見ると、現実がリアルに描かれているかどうかは議論が分かれるかもしれませんが、参考になる対処法もずいぶんありました。
それに何よりも、ほのぼのとした気分に浸ることができたことはありがたかったです。


2017年4月17日
から 久元喜造

「神戸国際フルート音楽祭」開幕


神戸国際フルート音楽祭~音楽で楽しむ開港150年~」が、去る3月18日に開幕しました。
とても感慨深いものがあります。

振り返れば、「神戸国際フルートコンクール」について、税金投入の是非について問題提起したのが、2年前のことでした。
さまざまな議論と経過がありましたが、東京都ご在住の辻正司氏(セレモア文化財団会長)とご家族から、3年間で合計4200万円のご寄附をいただけることになり、税金を投入せずに開催のめどが立ちました。

これを受け、私は、コンクールにとどまらず、市民のみなさんが主体となって、コンサート、公開レッスンなどを開催する「国際音楽祭」に進化させることができないか、提案しました(2015年11月20日のブログ)。
昨年4月に、そのための企画検討会議が設置され、演奏家・演奏団体、音楽教育関係者、マスメディア、楽器制作・販売会社、文化振興に関心のある企業・団体のみなさんから、具体的な事業提案がありました。
こうして、たくさんのみなさんの参画を得て、「神戸国際フルート音楽祭」がスタートしました。

プログラムは多彩です。
ぜひ、 音楽祭のウェブサイト を覗いてみてください。

音楽祭の一環である  「第9回神戸国際フルートコンクール」は、5月25日(木)~6月3日まで、神戸文化ホールで開催されます。

そして、さらなる広がりが生まれています。
神戸財界を中心とした「神戸国際フルートコンクール応援実行委員会」が設立され、「ガラ・コンサート」のほか、市民が祝う「祝賀晩餐会」の開催が決まり、準備が進められています。
大変ありがたいことで、心から感謝申し上げます。