久元 喜造ブログ

2020年3月20日
から 久元喜造

就職内定取り消しへの対応


昨日の 定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症への第2弾の対策を発表しました。
その中の一つが、就職内定の取り消しへの対応です。

これまでは空前の人手不足で、就職戦線も売り手市場でしたが、感染拡大の影響で風向きが変わってきているようです。
多くの企業は従業員の雇用を守る努力をされていますが、中には解雇や雇い止めなどが起きているようです。
そして、就職の内定を取り消す動きも出ていると言います。
厚生労働省の調査ではごくわずかにとどまっていますが、実態がどのようになっているかは見えにくい面もあると思われます。
社会人になることを心待ちにし、期待に胸を膨らませていた学生にとって、入社目前で内定取り消しに遭うようなことがあれば、とても大きなショックだろうと思います。
目の前の生活をどうするのか、途方に暮れる方もおられることでしょう。
神戸は、大学などの高等教育機関が集中しており、そのような実態があるとすれば、影響は相対的に大きいのではないかと推察されます。

そこで、緊急の対策として、4月に入社予定だった企業などから内定を取り消された学生の方々を、原則1年間の任期付きで市職員として採用することにしました。
対象者は、神戸市在住で大学、短大、高専、専門学校を卒業予定の方、そして市外在住で市内の大学などを卒業する方です。
募集人員は、100人程度。
会計年度職員として採用し、年収はおおむね300万円程度を考えています。
詳細は、来週に発表しますが、今月下旬にも募集を始め、4月から順次面接して採用します。
当面の生活費を得ながら、新たな就職先を探していただき、これからの人生設計を描いていただきたいと考えています。


2020年3月17日
から 久元喜造

日常との折り合いをどうつけるのか。


神戸市内では、今日現在21例の感染症患者が報告されています。
病院で、PCR検査、救急、学童保育の現場で、福祉施設などあらゆる場所で、多くのみなさんが感染拡大防止のために懸命の努力を続けてくださっています。
市民のみなさんも、学校の休校などの対応に理解を示してくださり、この危機を乗り越えるために行動していただいています。
そのおかげで、何とか感染の拡大を防ぐことができています。

市内では小規模なクラスターが発生しており、クラスターが次のクラスターを生みださないようにすることが不可欠です。
神戸には、感染症指定病院である中央市民病院をはじめ、多くの病院・医療機関があり、今回の肺炎治療に対しても高水準の医療サービスを提供することができています。
重症化した患者に対し、適切な医療を提供することが求められます。
神戸の医療の力を結集し、最善の医療提供体制を確保します。

私たちは、いま見えない敵と闘っています。
これからどうなるのか、正確に先を見通すことができる人はいないと思います。
闘いは短期間では終息しないかもしれません。
このような状況の中で、多くの人々が過度に行動を委縮させることは、私たちの平穏な日常を損ない、経済活動を長期にわたって停滞させるおそれがあります。
そうならないようにするために、感染拡大防止を最優先にしながら対応することが必要です。
今日からは、図書館、博物館・美術館を、制約はありますが、開館することにしました。
子どもたちの居場所づくりへの支援も広がっています。
感染の拡大防止と日常の暮らしとの間でどう折り合いをつけるのか、感染のフェーズに応じた賢明な判断と行動が求められています。


2020年3月15日
から 久元喜造

大木毅『独ソ戦』(岩波新書)


著者は、本書の冒頭で独ソ戦の性格をこう断定します。
ヒトラー以下のドイツ側指導部にとって、対ソ戦は「世界観戦争」であり、「みな殺しの闘争」、「すなわち絶滅戦争にほかならなかった」と。
これに対し、スターリン以下のソ連指導部たちは「コミュニズムとナショナリズムを融合させ」、ロシアを守るための「大祖国戦争」と規定したのだと。
ソ連側では、対独戦は通常の戦争ではなく、イデオロギーに規定された、交渉による妥協など考えられないものになっていきます。
このような性格を帯びた戦争は、もはや戦時の国際法規が適用されるわけでもなく、帯にあるように「戦場ではない 地獄だ」としか言いようのない様相を呈していったのでした。

ヒトラー、そしてスターリンの思考や行動についても詳しく記されており、興味深いものです。
開戦当時、ソ連軍は著しく弱体化していました。
スターリンの大粛清の矛先が軍にも向けられ、何と軍の最高幹部101名中91名が逮捕され、80名が銃殺されていたという戦慄すべき事情があったからです。
ドイツ側においては、ハルダー陸軍参謀総長をはじめとした中枢部の楽観的で杜撰な作戦計画も明らかにされます。

独ソ戦の転機となったスターリングラードの攻防は、地図を交え、詳しく語られます。
当然のことながら、市民を巻き込んだ市街戦は壮絶なものでした。
もちろんレニングラードの攻防も凄まじいものでした。
敗戦が確実になってもなお、ヒトラーが交渉で戦争終結に向かうことはありませんでした。
「世界観戦争」を妥協なく貫徹するというその企図はまったく動揺していなかったという著者の指摘は、地獄を現出させた根源を言い当てているように感じました。


2020年3月3日
から 久元喜造

神戸市内で初めて感染者が発生。


神戸市では、きょう3月3日から、市内の小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校を、15日まで臨時休業としました。
この特別の対応を始めたきょうの昼前、神戸市内で初めて新型コロナウィルス感染症の感染者が確認されました。
直ちに記者会見を行い、感染の事実を公表するとともに、昼過ぎから、第1回新型コロナウィルス感染症対策本部員会議を開催し、今後の方針を確認しました。
この感染者の方の行動歴や接触歴を調査するとともに、国・兵庫県と連携しながら、感染拡大防止に向けた万全の措置を講じていきます。

残念ながら、ネット上ではデマや不確かな情報が飛び交っています。
正しい情報にもとづき、こまめな手洗いなど地道な対応をきちんととっていただくことが、ご自身の感染防止と地域社会における感染拡大防止につながります。
疑問点は、神戸市の24時間相談窓口にお問い合わせください。
078-322-6250

また、きょう 神戸市ホームページ をトップページから更新し、神戸市がとっている措置の内容をより分かりやすくご覧いただけるようにしました。
内容は日々更新していきます。

神戸市内のインフルエンザ発生件数は、去年に比べて激減し、また救急出場件数も前年同期比で約8%減少しています。
市民のみなさんの予防のための行動が、このような結果に結びついているとも考えられます。
私たち一人ひとりの行動が、新型コロナウィルス感染症の拡大防止につながります。

夜には、2件目の感染者が確認されました。
この方についても、1件目と同様の対応をとります。
神戸市としては、今後のあらゆる可能性を想定し、緊張感を持って万全の態勢で臨んでいきます。


2020年2月28日
から 久元喜造

神戸市立小・中・高は、3月3日から休校。


国の方針を受け、神戸市の対応方針 を決定し、きょう午前中に記者会見を開き発表しました。
何よりも子供たちの健康・安全を第一に考える見地から、神戸市立の小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校を、3月3日(火)から15日(日)まで臨時休業とします。

共働き家庭などの子供たちの居場所を確保するため、春休みなど通常の長期休暇と同じように、3月3日(火)から午前中からの学童保育を実施します。
学童保育中の感染リスクを減らすためには、子供の空間密度を少しでも下げることが求められます。
そこで、この措置による学童保育は、小学校3年生以下の子供を対象とします。
小学校4年生以上で家庭で対応できない子供については、それぞれの学校で預かるようにします。
これら学童保育にあたる職員を確保するため、職員の人件費については、市単独で特例加算を行うとともに、民間学童保育施設に対する特別補助を実施します。

このように子供の居場所を確保するための措置は講じますが、子供の感染防止のためには、できるだけ家庭で過ごしてもらうようにすることが求められます。
企業などにおかれては、子供を養育する従業員などの休暇の取得、在宅勤務などが可能となるよう、緊急の対応をとっていただくようお願いします。

市立図書館、博物館・美術館、地域体育館、区民センター、勤労市民センター、水族園、こべっこランドなどの施設については、3月3日(火)から15日(日)まで閉鎖します。

今がまさに感染の流行を早期に収束させるための極めて重要な時期です。
市民、企業のみなさんには、ご不便をおかけしますが、ぜひご理解の上ご協力、ご支援をお願いします。


2020年2月22日
から 久元喜造

教員間いじめの根絶を。


昨年秋に発覚した市内小学校の教員間いじめ事件に関する神戸市教育委員会の調査委員会の報告書がとりまとめられ、昨日公表されました。
これまで報じられてきた教員間のいじめの実態やその背景がかなり明らかになりました。
衝撃を受けるのは、加害教員たちが行った行為の数々です。
125項目ものおぞましい行為が列記されており、それらの異常さ、陰湿さ、残忍さに言葉を失います。
前々校長、前校長の行動も健全な社会常識からかけ離れています。

今後どうすればよいのか。
理解できないのは、朝日新聞などに登場する学者の見解です。
「学校を責めるだけでは解決しない。社会全体で再発防止を考えるべきだ」と。
問題の所在や責任をあいまいにすることは許されません。
今回の事件が起きたのは社会のせいだとでも仰るのでしょうか。

いま、誰が何をすべきなのか。
まず教育委員会には、このようなおぞましい行為に及んだ加害教員に対して厳正な処分を行うことを求めます。
また前々校長などの責任も問われるべきです。
この事件の後に教員のみなさんに対して行ったアンケートでは、約1600人もの教員がハラスメントを受けたことがあると答えています。
これらの実態も調べ、明らかにするとともに、万全の再発防止策を講じるべきです。
子どもたちのために苦労している教員のみなさんが、こんなつらい目に遭うことがないようにしなければなりません。
教育委員会、学校現場におけるマネジメントのあり方については、事件の後、公開で総合教育会議を開催し、議論してきました。
教委による処分が行われた後、しかるべき時期に同会議を開催し、教育現場の再生に向けた方向性を確認したいと考えています。


2020年2月17日
から 久元喜造

新型コロナウィルス感染症への対応


新型コロナウィルス感染症への対応については、神戸市としては、以下の事項を基本に対応していく方針を確認しています。
今後、状況は刻々と変化していくと考えられ、国の方針を踏まえながら、機敏にかつ冷静に対応していきます。

・神戸市内において新型コロナウィルス感染症が発生することに備え、関係部局及び関係団体等との連絡連携体制を強化する。
・専門的見地から新型コロナウィルス感染症を強く疑われる場合については、医療機関との緊密な連携に基づき、柔軟に検査を実施する。
なお、検査結果については、陽性反応が出た場合に限り、速やかに公表する。
・神戸市における検査体制の強化を進める。
・市民から直接、検査の申し込みは受け付けず、心配な方については、設置済みの相談窓口、あるいは帰国者・接触者相談センターへの相談を行っていただく。
・市民に対しては、市HPなどを通じて、今後とも適時適切に情報提供に努めることとするが、現時点においては、冷静に一人ひとりの咳エチケット、こまめな手洗いなどの励行を呼びかける。

神戸市ホームページ

この問題に対して関係部局が一丸となって対応していきますが、同時に、神戸市の行政活動は通常どおり進めることとし、行事も基本的には予定どおり実施します。
きょうも、「アイカサ」に関する連携協定の締結、世界パラ陸上選手権大会組織委員会第2回総会など予定どおり実施しました。
市民のみなさんの健康を守ることを基本にしながら、経済活動などの諸活動が極力停滞することがないよう、関係機関と連携して対応していきたいと考えています。


2020年2月11日
から 久元喜造

駅ピアノ「西神中央」の風景


1月17日に放映されたNHK・BS1 駅ピアノ「神戸・西神中央」。
さまざまな人々が登場していました。
小学校の音楽の先生になって半年の、23歳の女性もそのひとりです。
「毎日大変だが、やりがいを感じている」と。
弾いていたのは、シューマンが作曲し、リストが編曲した『献呈』。
音大のとき、よく弾いていた「なじみの曲」だそうです。
私もこの曲が大好きです。

「夢は?」と訊かれ、若い音楽の先生はこう答えていました。
「夢?」
「子どもたちに、10年か20年か後になって、あのとき先生がいたから、先生がいたから、音楽が楽しいと思えると、そんな子どもが増えてくれたら・・・それが私の夢です」

素晴らしい夢ですね。
私にもそんな先生がいたのですよ。
神戸市立山田中学校のとき、音楽の教師になったばかりの先生がそうでした。
当時まだ20歳くらいだったかもしれません。
先生の音楽の授業は本当に楽しかった。
刈り取りが終わった田圃に出て、車座になってみんなで歌を歌ったこともあった。
どういうわけか1回きりで終わってしまったけど、だからよけいにあのときのことをよく覚えているのかもしれません。
10年、20年どころか、半世紀経っても、音楽はずっと好きです。
毎日音楽を楽しんでいるのは、先生のおかげです。

西神中央駅のピアノを弾いておられた小学校の音楽の先生。
これからも素敵なピアノを弾き続けてください。
そして、音楽の楽しさ、素晴らしさを、たくさんの子どもたちに伝えていってほしいと願っています。
神戸には、西神中央駅も含め、18台のストリートピアノがあります。 KOBEストリートピアノ
忙しいとは思いますが、ぜひ弾きに来てくださいね。


2020年2月6日
から 久元喜造

シフ『静寂から音楽が生まれる』


大好きなピアニスト、アンドラーシュ・シフの対談とエッセイです。
訳は、岡田安樹浩氏。

とても興味深い内容で、一気に読み終えました。
シフは、ブダペストのユダヤ系一家に生まれ、肉親や友人の多くは、ナチス・ドイツによって収容所に送られました。
1953年生まれのシフは、共産主義政権下でレベルの高い音楽教育を受けます。

「偉大な作品はそれを演奏する者よりずっと偉大です」と語るシフの作曲家論は、本書の中心テーマです。
とりわけ、現代のピアノで弾くバッハの作品に対する愛情が言葉の端々からあふれ出、《ゴールドベルク変奏曲》ガイド・ツァーは、この曲を聴く際の良い手引きとなることでしょう。
シフが作品を概念的な解釈ではなく、楽器との関連で語るとき、優れたピアニストとしての経験と洞察が縦横に披露されます。
たとえば、ベートーヴェンは「オープンペダル」の指示を与えているにも関わらず、多くのピアノ教師が「ペダルは和声の変わり目ごとに踏みかえなくてはならない」と教えていることを批判し、「これはベートーヴェンの見解ではない」と言います。
ベートーヴェンは、ピアノ協奏曲第1番、《月光》《テンペスト》《ワルトシュタイン》などでは「風変わりでまったく馴染まない和音同士を一緒に響かせようとした」のだと。
スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインなどの楽器が作品と関連付けながら語られ、とても興味深い内容を含んでいます。
シフは、楽器すらもひたすら一色に塗り固めようとする音楽の「グローバル化」に抵抗を感じているように感じました。
母国ハンガリーの政治状況に対する怒りも、芸術と政治との関係を考える上で示唆に富みます。


2020年2月1日
から 久元喜造

垂水「生まれ変わる海辺のまち」②


垂水駅① へ)
垂水駅前整備のつづきです。
垂水駅北西側では、現在駐輪場となっているエリアに一般車ロータリーと立体駐輪場を整備することとし、令和5年度当初の供用開始を目指し、作業を進めます。

駅の南部では、新しい体育館を整備します。
現在の垂水体育館は垂水駅の北西方向にありますが、建設からかなり年数が経ち、老朽化が目立つとともに、面積も狭く、区民のみなさんのニーズに十分応えられているとは言えません。
そこで、駅前のレバンテ2号館にある勤労市民センターの体育室と一体化し、平磯にあるスポーツガーデンに新しい体育館を建設します。
現状よりも施設規模を大幅に拡大して施設内容も充実させるともに、木材をふんだんに使い、デザイン性にも優れたスポーツ施設にしたいと考えています。
令和4年度当初の供用開始を目指し、作業を進めます。

垂水勤労市民センターの体育室跡のスペースには、「おやこふらっとひろば」や児童館などの子育て支援拠点を整備する方向で検討を進めます。

また、垂水体育館と垂水養護学校の跡地を活用して、産科・小児救急を含めた救急医療の機能を持った総合病院の整備を推進します。令和6年度の開業を目指し、関係者との調整を進めます。

このように駅周辺において、一体的なプランにより図書館や体育館の新設が行われ、駐車場・駐輪場などもリニューアルされて駅前のイメージが一新されると、垂水駅周辺でのマンション建設などの民間投資も活発になると期待されます。
神戸市も、駅周辺の空間を活用し、今後5年間で約550戸の住宅供給を推進します。
今後の人口増も見込み、垂水小学校の校舎の建て替えなども進めます。(おわり)