2017年3月23日
から 久元喜造

長田区の公示地価がプラスに。


昨日、3月22日の新聞各紙は、今年1月1日時点の公示地価をいっせいに報じていました。
神戸市内で目立った動きとしては、長田区の住宅地、商業地ともプラスになったことが挙げられます。

神戸新聞によれば、「JR新長田駅北側は阪神・淡路大震災の復興土地区画整理事業が落ち着き、若い世代に人気のエリア。駅南側の再開発地区は、県と市の合同庁舎移転を2019年度に控え、昼間人口が約2000人増加する見込み」です。
記事は、地元の飲食店主の男性(62)の「復興の効果が出てきた。今後オープンする店もあるので、にぎわい復活を期待したい」という話を紹介していました。

長田区の公示地価(公示地)の変動率は、住宅地で、平成21年から平成28年まで8年連続マイナスでしたが、今年は0.2パーセントのプラスでした。
また、商業地は、平成21年から平成28年を見ると、平成26年を除き、マイナスでしたが、今年は0.3パーセントのプラスでした。

上昇幅はごくわずかですし、にぎわいが大きく回復してきたわけではないと思いますが、空気が変わってきたことは確かです。
1月24日のブログ でも紹介しましたように、2019年度の県市合同庁舎オープンを見据え、すでに周辺地域への出店、事務所の開業も相次いでいます。
地元のみなさんの雰囲気も盛り上がってきています。
県市合同庁舎を絶好の好機ととらえ、みんなで力を合わせて、新長田をはじめとする長田区の活性化を進めていきたいと思います。


2017年3月20日
から 久元喜造

新消防艇「たかとり」就航式


今日の午後は、うららかな陽光に包まれ、新しい消防艇「たかとり」の就航式が行われました。

神戸市の消防艇は、「たちばな」「くすのき」の2隻です。
平成3年建造の「たちばな」は、阪神・淡路大震災で活動した最後の消防装備ですが、老朽化が進み、昨年9月から新しい消防艇の建造を進めてきました。

新消防艇の名称「たかとり」は、2016年12月21日のブログ でも触れましたが、市民のみなさんの投票により決められました。
「たかとり」は、全長24.5メートル、総トン数は、46トン。
最大速力は、29ノット、定員は、19名です。
大型船舶、石油コンビナート火災に対応する高所放水塔、夜間でも安全に航行できる監視装置などを備えています。

折しも、入港中のクィーン・エリザベス号が、今日の就航式を見守ってくれています。
私から、先般発生した長野県消防ヘリの墜落事故で9名もの隊員が殉職されたことを踏まえ、消防のみなさんには安全に最大限の注意を払いながら任務を遂行していただくよう、お願いしました。

「たかとり」の就航を契機に、海上の安全確保のため、関係機関との連携を一層密にし、全力で取り組んでいきます。


2017年3月17日
から 久元喜造

『べっぴんさん』に「名の無い茶房」が登場

連続テレビ小説『べっぴんさん』は、録画して、1週間か10日遅れくらいで見ています。
先日は、良子のご主人の小澤勝二が、定年の後、キアリスの跡地に喫茶店を開店するシーンが出てきました。
喫茶店の名前はなく、看板には何も書かれていません。
いわば「名の無い茶房」です。

このシーンを見て、新開地にあった喫茶「名の無い茶房」を想い起しました。
違いは、名前が「名の無い茶房」であったことです。

1960年代前半、私は、旧川池小学校に通っていました。
どこにあったのか、よく想い出せませんが、よくお店の前を通ったことは確かななので、通学路にあったのか、よく遊んだ新開地の通りにあったのだろうと思われます。
勝二が開店した「名の無い茶房」は、グリーン系の色ですが、新開地にあった店は、何となく茶系統のイメージだったように記憶しています。

当時の新開地は大変な人出で、喫茶店もたくさんありました。
「スリに気ぃつけなあかんで」
と祖母によく言われました。
神戸を代表する繁華街だった新開地も、その後少しずつ人出が少なくなり、1980年代にはかなり寂れていたように思いますが、ここ10年くらい、地域のみなさんの積極的な取り組みにより、かなり蘇ってきたように感じます。

3月13日には、「新開地演芸場(仮称)」の計画が正式に発表されました。
県市協調で計画を支援していきます。
新開地がさらに賑やかで楽しい街になるよう、神戸市としても全力で取り組んでいきます。


2017年3月14日
から 久元喜造

マイナンバー通知 受取りのお願い

平成27年10月、全国一斉にマイナンバーが郵送されました。
神戸市では約78万通に上ります。
簡易書留で住民票の住所にお送りしましたが、不在による郵便局での保管期間が経過した後は、神戸市に返送され、現在約2万6千通を保管しています。

これまで、通知の再送や個別のご案内などを行ってきましたが、この3月31日をもって、番号通知の再送受付を終了します。
まだ番号通知を受け取られていな方は、至急、マイナンバー交付本部(電話078-322-6961)へ連絡していただきますようお願いいたします。
神戸市では、幅広く市民のみなさんに呼びかけを行っているところです。

マイナンバーは、納税、就職、転職、退職などさまざまな場面で必要になります。
勤務先からもマイナンバーの提示を求められることがあります。
ご自身のマイナンバーを知っておくことは、行政手続きだけでなく、勤務先や取引先との関係でも不可欠です。

また、マイナンバー通知を持っているだけではなく、顔写真入りのマイナンバーカードも是非お持ちいただきたいと思います。
マイナンバーカードは、誰でも持つことができる身分証明書です。
就職やアルバイト、金融機関などでマイナンバーを提示する際、自分のマイナンバーであることを確実に証明できます。
また、住民票、印鑑証明、戸籍の証明、所得証明などの証明書をコンビニで取ることができ、区役所に行く必要もなくなります。
マイナンバーカードの手続きについては、各区役所・支所市民課または出張所、もしくは区政振興課(電話 078-322-5072)までお問い合わせください。


2017年3月11日
から 久元喜造

東日本大震災から6年

6年前の2011年3月11日午後2時46分、私は、総務省自治行政局長室にいました。
地方自治法改正に関する地方六団体との交渉が難航し、その打開策を練っていました。
突然、大きな横揺れが始まりました。
局長室を飛び出て、行政課総務室の部屋に入ると、私の秘書を含め複数の職員が、ロッカーが倒れないよう、手で押さえているのです。
私は、部下を怒鳴りつけることはまずないのですが、そのときは、
「何をしてるんだ。すぐに机の下に潜れ!」
と叫びました。

すぐに片山善博総務大臣に呼ばれ、福島県と連絡が取れないので情報収集に全力を挙げるよう指示を受けました。
テレビをつけっぱなしにし、さまざまなルートで情報収集を行いました。
大槌町では、津波で町長が行方不明との情報も入りました。
災害対策の司令塔たるべき自治体が壊滅している可能性がある、未曽有の事態でした。
選挙部長室にも行き、4月に迫っていた統一地方選挙への対応を促しました。

無我夢中の日々が続きました。
福島第一原発周辺の地域をはじめとする福島県への対応がとくに大きな課題でした。
片山善博大臣に随行して、何度か福島県に赴き、当時の佐藤雄平知事や、双葉郡の町村長さんと協議しました。

翌2012年9月、私は総務省を辞し、11月、40年ぶりに神戸に帰ってきました。
神戸では、震災の経験を踏まえた支援が、市民、企業、行政の各レベルで行われていました。
被災地との交流は、幅広い分野で続けられています。
神戸市では、来年度も被災自治体に職員派遣を行うなど、息の長い支援活動を行っていきます。


2017年3月5日
から 久元喜造

遠藤乾『欧州複合危機』


大変感銘を受けました。
複雑な事象が深く掘り下げられ、体系づけられるとともに、思考の枠組みが明確に示されていました。

第1部では、2010年代に起きた複数の危機-「ユーロ」「欧州難民」「安全保障」「イギリスのEU離脱」-が具体的に語られます。
これらの異なる危機は、バラバラに生じたのではなく、互いに連動しており、「国と地域・地方の利益を分岐させ、結果的に多次元にまたがる「多層危機」の様相を呈する」ようになっていきました。
筆者は、欧州統合の複雑な過程を丹念にたどった上で、「EUが歴史的に見て第一級の危機のなかにあり、ヨーロッパが重大な岐路にいることを明らかに」します。
EUは、もともと民主的正統性が希薄で、機能的正統性に対しても疑義が生じていました。
EUが次第に市民生活に浸透し、期待と反感が生まれていったところに、複合的な危機が襲い掛かります。
典型的には、域内国境を開放し、自由な往来を実現させたことが、テロリストの侵入と越境をもたらしました。
今、移民をめぐって、欧州は大きな世論の分裂に直面しています。

そして、イギリスのEUからの離脱。
筆者は、このことによる混乱は、「先進国が抱えるグローバル化、国家主権、民主主義の間の緊張関係を、劇的な形で、「見える化」してしまった」と考えます。
その答えは、「国家主権=民主主義に引きこもる」ことではありません。
そのような動きが加速化している今日であるからこそ、「グローバルな協力・再編を多方面、包括的に進める」一方、「国内においても中間層以下への支援を全面的に推し進める必要がある」と筆者は結論付けます。
違和感がない方向性です。


2017年3月2日
から 久元喜造

アライグマ捕獲大作戦

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アライグマは、北アメリカ原産の動物です。
1970年代に、当時放映されていたテレビアニメの影響などから、ペットとしてアメリカから大量に輸入され、販売されました。
しかし、愛くるしい幼獣が成獣になると、凶暴になって飼いきれなくなり、野外に捨てられるようになりました。
全国で、農業被害や人家での被害が相次いでいます。
また、狂犬病など人への感染症を媒介する可能性も指摘されています。

神戸市では、鳥獣相談ダイヤルを開設していますが、動物の種類別の相談件数は、アライグマがトップになっています。
相談を受けた神戸市では、事業者に委託し、箱わなを設置して捕獲します。
箱わなは、市民のみなさんに管理していただきます。
アライグマは力がとても強く、箱わなは壊されないよう頑丈につくられています。

全国的にもアライグマの捕獲数は年々増加しており、各自治体は対策に追われていますが、神戸市のように市民の鳥獣相談ダイヤルへの通報から捕獲事業者への捕獲依頼といったワンストップサービスの体制を構築している都市は、ほかにはありません。
この結果、神戸市の平成27年度の捕獲数は、1,225頭で、さいたま市317頭、横浜市285頭などを大きく引き離しています。

アライグマが野生化し、被害を及ぼすようになったのは、アライグマを安易に輸入・販売し、無責任に捨てたり、不充分な管理により逃亡させた人間の責任です。
ある意味、アライグマも人間の得手勝手な行動の被害者であるとも言え、このようなことがほかの動物で起きることがないようにしなければなりません。


2017年2月27日
から 久元喜造

模倣力、あるいは、自分を直す能力


少し前の教育助言会議で、ある先生から興味深い発言がありました。

どのような人物が教員にふさわしいか。
はじめから良い授業ができる学生ではない。
学生に授業をさせてみて、改善点などアドバイスや注意を与え、どのように進歩しているのかを見る。
最初からよく出来てはいるが、進歩が少ない学生よりも、最初はできが悪くても、注意や助言を受けて大きく改善が見られる学生を採用すべきだ。

含蓄のある指摘だ感じました。
先輩や専門家のアドバイスを聞いて、それらを取り込み、自分を直すことができる能力。
自説や自分のスタイルにばかりこだわらず、柔軟に反応することができる能力。
それはある意味で、  – ことがらを矮小化する恐れもありますが-  模倣する能力なのかもしれません。

模倣力というと、独創性や信念、あるいは良心の対極にある、何か後ろめたいイメージがありますが、そう決めつけるのはいかがなものでしょうか。
天才モーツァルトも、ハイドンやヨハン・クリスティアン・バッハの作品を研究し、模倣しながら自らの作風をつくりあげていったことが知られています。

今日、総合教育会議が開催され、私から、そんな教育助言会議での議論を紹介しましたが、教育委員会として、そのような試験方法は難しいとのことでした。
いくら問題提起しても、教育委員会事務局から返って来る答えは、自画自賛ばかりです。
人材獲得競争が激化している今日、たくさんの有為な人材に受験してもらい、研ぎ澄まされた眼力で人材を選抜していくことが必要です。
そのための労を惜しんではならないように感じます。


2017年2月24日
から 久元喜造

これからの「区役所」像

区役所サービスが大きく変わろうとしています。
まず、マイナンバーカードを使って、住民票、印鑑証明、戸籍の証明をコンビニエンスストアで取ることができるようになりました。
2月22日からは、所得証明も加わりました。
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また、今年1月には、東灘区で総合窓口を開設しました。
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これまでは、引越しなどで区役所の来られた時は、転入届、国民健康保険や介護保険、児童手当の手続きのために、あちこちの窓口を回必要がありました。
総合窓口の設置により、1か所の窓口で手続きを終えることができるようになりました。
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今後の区役所サービスのあり方は、マイナンバー制度を有効に活用することにより、さらに大きく変わると見込まれます。
まず、住民票などの証明書類は、コンビニでの受け取りが主流になります。
そのためには、市民のみなさんに、できるだけマイナンバーカードを取得していただく必要があります。

また、東灘区でスタートさせた総合窓口は、建替えを進めている北区役所、兵庫区役所、移転を計画している西区役所のみならず、すべての区役所に開設していきます。

区役所には、保育所への入所など子ども・子育て、ご家族の介護などさまざまな相談に来られる方々がおられます。
区の職員に自分の状況を良く聞いてもらい、適切な助言やサポートをしてほしい、と感じておられると思います。
少子高齢社会の中で、地域社会の変容に伴い、このような相談ニーズはもっと高くなることでしょう。
そこで求められるものは、真摯にお話しを聞く姿勢、専門知識に裏打ちされた的確な判断です。
こうした部門に、専門的知識を持った人員をシフトさせていきます。


2017年2月20日
から 久元喜造

中央区市民課の体制強化

今日の神戸新聞に、中央区役所の体制強化に関する記事が掲載されていました。
中央区役所に来庁した外国人の窓口手続きを手助けするため、語学が堪能な外国語対応専任スタッフを配置するという内容です。

「役所の手続き 心配無用」とのことですが、事態は、そんなに生易しいものではありません。
中央区役所市民課の対応は、限界にきています。
私は、昨年暮れ、中央区役所を訪れたとき、市民課のフロアにエレベーターが止まり、我が目を疑いました。
昼休みに、ものごすごくごった返しているのです。
聞いてみると、4月初旬前後の繁忙期には、とんでもない待ち時間が発生しているとのことでした。

さっそく対応をお願いしましたが、人事当局は動きません。
私は、御用納めの庁内挨拶で訴えました。
「どうして長年、中央区でこのような事態が放置されてきたのか、私には理解できません」
「庁内で情報伝達のパイプがあちこちでつまっているとしたら、みんなで直していこうではありませんか」

人事配置の変更を極端に嫌がる人事当局との「交渉」は難航を極めましたが(いつものことです)、何とか、外国人のみなさんへの対応を含め、最小限の体制強化につなげることができました。
日本語がわからない外国人が来庁されるたびに、事務が滞り、次に待っておられる方にご迷惑をかけているとのことでしたので、今回の対応はそれなりの効果を発揮すると期待されます。

しかし、これで繁忙期を本当に乗り切れるのでしょうか。
もし、不十分であれば、今度こそ、人事当局の抵抗をはねのけ、抜本的な対応を図っていかなければなりません。
すべては、私のリーダーシップの不足の故です。