久元 喜造ブログ

散水で道路の温度を下げる試み。


異常な高温が続いています。
大都会では、ヒートアイランド現象により、都心の気温はさらに上昇します。
何かすることはできないのか。
なかなか難しい課題だけに、挑戦してみる価値はあるのではないかと思います。
ひとつのアプローチは、道路に水を撒き、気化熱で路面の熱を奪って温度を下げることです。
古くから日本人は夏に「打ち水」をしてきましたが、車を使って大規模に行うことが考えられます。

こうした発想から、神戸市は、現在、散水車で水を撒く実験を行っています。
旧居留地とその周辺の車道、市役所2号館東から東遊園地東の歩道に散水ルートを設定し、積載量 4t の散水車 2 台が、1日2周 散水して周ります。
この散水実験は、7 月 20 日から開始しており、9 月 19 日まで続ける予定です。
これまでのデータ解析では、アスファルト舗装の表面温度は、散水前の約 55 度から、5度から10 度程度の低下を確認 しています。
神戸大学にご協力をいただき、路面の温度が低下する効果のほか、周辺の環境に与える影響などについて検証していただいています。
年内には検証結果をとりまとめたいと考えています。

散水によって、都市の気温を下げることはできませんが、道路の表面温度を下げることで歩行者の体感温度が下がれば、異常高温対策として一定の効果があります。
今回の散水実験の効果が認められれば、来年はさらに規模を拡大し、場所を増やすことも考えられます。
神戸の市街地には、南北に小河川がたくさん流れており、地下からの湧水も豊富です。
簡単ではありませんが、神戸の豊かな水を活用して街を冷やすことができないか、研究を進めていきます。