リトアニア領事代理の杉原千畝氏が、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ難民に日本通過ビザを発給し続け、約6,000人もの命を救ったことは、よく知られています。
ユダヤ難民は、シベリア鉄道でウラジオストクに向い、福井県の敦賀に上陸したのでした。
そして、ユダヤ人難民の多くは、その後数か月間神戸に滞在し、神戸港から世界の各地へ逃れていきました。
私は、神戸が当時ユダヤ難民とどのように関わり、どう支援をしたのかを調べ、記録として残すべきではないかと考え、情報の提供を呼び掛けました。
その結果、これまで知られていなかった写真の提供などがありました。
次に2枚は、中島信彦さんから提供いただいた写真です。
当時の神戸市民とユダヤ難民との交流の一端が窺えます。
これらの写真を含め、収集された資料をもとに、昨年11月、神戸市文書館において企画展を開催いたしました。
さらに、専門家の先生方にご協力をいただき、 新修神戸市史紀要「神戸の歴史」(第26号)の編纂を進め、このほど刊行することになりました。
「開かれた国際都市」としての神戸の歩みを振り返るとともに、具体的なテーマとしては、「神戸とユダヤ難民」 「勝田銀次郎と陽明丸」 「トルコ軍艦エルトゥールル号生存者の神戸での日々」を取り上げています。
ご執筆、ご協力いただいたみなさまに、心より感謝申し上げます。
ジュンク三宮書店でも販売が予定されています。(販売価格500円)