久元 喜造ブログ

地方選挙の低投票率②

統一地方選挙後半の平均の投票率は、前回よりもさらに下がり、これまでで最低になりました。
なぜ、地方選挙が有権者の関心を集めないのか ― それは、身近なはずの地方選挙が、実は身近ではない からではないでしょうか。
その理由は多岐にわたると考えられ、その一つ一つを取り上げ、解決していくことが必要です。

それらの要因の一つに、規模の大きな自治体では、選挙区の単位が大きすぎて、有権者から見て候補者が身近な存在ではないことが挙げられると思います。
とくに、指定都市ではない大規模な市や東京の特別区で、全域を単位とした選挙区で選挙が行われていることは、大きな問題だと思います。
下は新宿区のポスター掲示場ですが、この中からたった1人を選ぶ選挙が果たして合理的なのでしょうか?
shinjuku1504

千葉県船橋市は、人口が62万を超える大都市です。今回の市議会議員選挙の結果を見てみましょう。
船橋市議会の定数は50で、73人が立候補しました。
当選者の最低得票は、2109.410票(按分)で、この得票は、選挙区の投票者数18万2772人のわずか1%余り、有権者数49万1791人の約0.4%に過ぎません。
ごくわずかな得票率で当選でき、ほとんどの市民が知らない議員で議会が構成されることになります。

市議会議員は言うまでもなく市民の代表ですが、現行の大選挙区制度は、当選した議員がほんとうに住民の代表としての資格を備えているのかという疑問を投げかけています。
規模の大きな市や特別区については、法律で基準を定め、指定都市のように、複数の選挙区に分割することを義務づける必要がありそうです。