正月早々、友人が、こんな情報を提供してくれました。
「今日の夕方、家内と近くのショッピングセンターである アグロガーデン星陵台店 に買い物に行ったのですが、そこでは、神戸の魚を展示するコーナーがあり、感激し、しばし見入ってしまいました。写真を添付致します」
写真を拝見しますと、神戸付近の川に住む魚たちが水槽で展示され、それぞれの魚の写真とともに、詳しい説明が書かれてありました。
たとえば、鮒については、
「水槽内には、マブナとヘラブナが入っています。判るかな!」
カワバタモロコなどの貴重な在来種の魚も展示されていました。
シロヒレタビラ、ムギツク、カマツカという絶滅危惧種の魚は、私もこれまでその存在を知りませんでした。
このような教育的な内容の展示を行っていただいていることは、ありがたいことです。
身近な河川にいる魚を飼育することは、生き物を慈しみ、自然環境保護を考える絶好の機会だと思います。
同時に、身近なの河川の淡水魚を採集したり、飼育するに当たっては、自然環境保護のルールを守ることが必要でしょう。
その一方で、と、友人は続けます。
「現在の須磨水族園や王子動物園には、神戸やその周辺で生息する生き物を飼育、紹介するコーナーが常設されていません。特に、須磨水族園は、公設民営で、集客施設としての特色が強調されすぎているように思われます」。
水族園にようやくお邪魔できたのは、昨年12月ことで、それも、昼休みの15分だけでしたので、ゆっくり見学することはできず、友人の指摘が正しいのかどうかについては、正直、よくわかりません。
ただ、感じるのは、水族園の職員のみなさんは、入館者を増やすよう促される一方、水生生物の研究者、展示に携わる立場としての使命感をお持ちでしょうから、さまざまな意見や要請の狭間にあって、いろいろなことを考えながら仕事をされているだろうということです。
神戸市役所では、近年、行政評価の取り組みが盛んに行われていますが、行政評価では数値目標が設定され、その到達度が絶えず問われます。
公の施設については、数値目標としては、入館者などが指標として使われるのでしょうが、入館者を上げるだけなのであれば、たとえば、図書館ではベストセラーばかりを並べることになりかねず、弊害も生むことでしょう。
「公共性とは何か」についての基本を忘れずに、費用対効果を上げていく取り組みが求められます。