久元 喜造ブログ

『八重の桜』劇中音楽 ― 私が好きな曲⑤

大晦日ですね。
今年は、昨年の大河ドラマ『平清盛』に引き続き、『八重の桜』を見るのが楽しみでした。毎回、録画し、何とか時間を見つけて見てきたのですが、残念ながら、あと3回残してしまい、今年中に最終回にはたどりつけませんでした。
ドラマ自体、とても楽しめましたし、感動したり、考えさせられたりすることが多かったのですが、ドラマの中の音楽も、たいへん素晴らしかったと思います。
音楽を担当されたのは、作曲家の中島ノブユキさん。
1969年生まれ、群馬県出身の作曲家です。ピアニストでもあり、ソロ・アルバムもリリースされているようです。

中島ノブユキさんの音楽は、心にしみ入るような美しい旋律が特徴です。素晴らしいメロディーメーカーです。
『輝かしい未来へのエール』と題されたは、ドラマの中の大事な場面でよく登場していた曲です。

コラール風の名曲で、管楽器が効果的に使われています。
曲の内容はもちろん異なりますが、この曲を初めて聴いたとき、映画『アマデウス』でも使われていた、モーツァルトの管楽器のための作品『グラン・パルティータ』第3楽章を一瞬、想い起こしました。

この曲以外にも、曲想が異なる素晴らしい曲がふんだんに使われ、ドラマを効果的に盛り上げていたように思います。
同時に、音楽がそれぞれのシーンと見事に融合していたせいでしょうか、音楽が前に出すぎたり、ましてや耳障りになることはまったくありませんでした。
音楽がやたらうるさくて、台詞が聞き取れないことすらあるのは、映画でもしばしばあることです。
そういえば、山田洋次監督の『東京家族』を、昨日DVDで楽しみましたが、久石譲さんの音楽がきわめてひかえめに使われていたのが印象的でした。

中島ノブユキさんは、劇中音楽の役割をよく理解されているのでしょう。
今後、さまざまな分野でのご活躍をお祈りいたします。