久元 喜造ブログ

国勢調査人口の水増しは許されません。


きょうの 読売新聞 朝刊1面の見出しは、「国勢調査で不適切集計」「大阪市など人口計上に住基転用」。
前回(2015年)の国勢調査で、大阪市など一部自治体が、居住実態が不明の世帯について、国のルールに反し、住民基本台帳(住基)の情報をそのまま転用する方法で人口を計上していたと報じています。
たいへん驚きました。

市町村は、住民の住所などの情報を登録し、住民票を作成します。
ただ、他の自治体に転出しても住民票を移さない人もおり、住基情報と実際の居住実態が異なることがあります。
そこで、5年に1回行われる国勢調査では、居住の実態も含めた調査が行われます。
世帯ごとに調査票が配布され、記入していただいた調査票をもとに、全国、各自治体ごとの人口が集計されます。
神戸市は、非回答者については、近隣住民などからきちんと聞き取りを行い、国のルールに従って調査を行いました。
一部の自治体で、報道されているような方法で調査が行われたなら、その自治体の人口は水増しされたことになります。
記事で大阪市の担当者は、「人口の下振れを避けるためだった」と答えています。
今回の報道が事実であるとするなら、前回の国勢調査の信頼が揺らぎかねません。

神戸市が人口減少、大阪市、福岡市など圏域の中心都市が増加傾向にあることは、紛れもない事実です。
神戸市は、人口減少対策に全力で取り組んでいます。
同時に、国勢調査は、あらゆる政策の基本であり、調査は統一的なルールに則り、正確に実施される必要があります。
今年の国勢調査では、前回のような人口の水増しが行われることがないよう、全自治体は、良心に従い、緊張感を持って取り組む必要があります。