久元 喜造ブログ

組織への「さん」づけに関する悶々・・・


神戸市役所にお世話になって6年余りが過ぎましたが、どうしても違和感を感じることのひとつが、「さん」付けです。
多くの職員のみなさんが、ほかの局や部に「さん」を付けるのです。
「〇〇局ですが、各局さん には、大変お世話になっています」
〇〇局さん には、・・・にご協力いただき、ありがとうございます」
といった風に。
私のところに説明に来る時にも、
「これは、〇〇局さん からこういう風にきいております」
といった説明が行われます。

私も、36年間、国や地方自治体で仕事をしてきましたが、ほかの組織に「さん」を付ける風習は、神戸市が初めてでした。
兵庫県庁の幹部の方に尋ねてみましたが、そのような風習はない、とのことでした。
民間企業でも、聞く限りそんなことはないようです。

正直申し上げ、説明できない違和感に悶々としてきました。
やめてください、とお願いする理由を理屈では説明できません。
言葉狩り をしているように受け止められ、反発を買う恐れもあります。
そんなわけで、庁内の会議でこのことを口にしたことはありません。

しかし、どうしても違和感を禁じ得ないのです。
さん」を付けるのは他人に対してですから、職員のみなさんは市役所のほかの組織を身内と思っていないのではないか、そうであれば、縦割り、割拠主義の現れか、とも思ってしまいます。
会議や説明のとき、組織に「さん」を付けられると、それが違和感となって耳の中に不協和音のようなものが響き、説明してくれている内容がおろそかになってしまうのです。

正直、この風習は、ほかの行政組織とはかけ離れたものであるように思います。
なんとか善処していただければ、ありがたく存じます。