久元 喜造ブログ

教員の多忙化対策にささやかな一歩か。

先日、あるパーティーで、市立小学校の校長先生からこう話しかけられました。
「市役所からの資料の配布がものすごく減り、助かっています。市役所内に徹底していただいたおかげです」

私は、小中学校の先生方の多忙化の原因のひとつに、学校現場に膨大な事務仕事を持ち込んでいることがあるのではないかと想像してきました。
ある校長先生から、こんな実態も聞かされました。
市役所のある課から資料を児童に配布するようメールが送られてきたのですが、そのメールには、資料のダウンロード元の url が記されてあり、ここからダウンロードして印刷するようにとの指示だったそうです。
しかしその url が不正確で、資料にたどり着くのに30分もかかったとのことでした。
そして資料をダウンロードし、印刷して、各学級ごとに分け、担任の先生に配布してもらったのだそうです。

市役所の各組織がこんな馬鹿げたことを競うようにやっていたのでは、学校現場はたまったものではありません。
そこで、昨年の10月9日付けで、学校園への配布物の送付を原則禁止する通知を出しました。
また、児童生徒本人に直接連絡する必要があるものなど、例外的に送付する資料についても、仕分けしやすいよう40部ごとに仕切紙等の目印を入れることにしました。

先ほどの校長先生のお話からは、この通知が効果を挙げているように感じました。
もちろん、現場の実態はさまざまですから決して安心はできませんが、まずは一歩前進のようです。

多忙化の背景にはさまざまな要因があり(2016年1月13日のブログ)、それらをひとつずつ取り除いていく努力が求められます。