携帯電話が普及して便利になりましたが、さまざまな歪みが出ていることも事実です。
そのひとつに、立場の弱い人間が、強い人間からの携帯電話から逃れられないことが挙げられます。
立場の強い人間は、好き放題、電話をかける一方、かかってくる電話を拒否できます。しかし、立場の弱い人間は、いつ、どこにいても、携帯に出なければならない、という立場に、しばしば置かれるからです。
駅のホームや路上などで、いかにもエライ風の中年男性が、携帯をかけ、いきなり相手に、「今どこにおるんや?」「何をしとったんや?」などと怒鳴っているの見ることがありますが、決して好感が持てる姿ではありません。
市役所でも、若手の職員から、
「別に急ぎでもないのに、休みの日に上司からやたら携帯に電話がかかってきます」
という声を聞くことがありますが、上司としての資質を疑います。
このタイプの管理職は、総務省にもいたことがあり、この男の下にいた優秀な部下は、何が何でも転出したいと申し出、認められました。
休みの日まで、携帯で部下を追い回すのは、ある種の人権侵害です。 24時間、部下をケイタイのドレイにするのはやめるべきです。
もちろん、緊急の場合は、携帯電話や携帯メールを駆使して、すばやく情報を伝達していかなければなりません。そして、時間外に緊急事態が発生したときに、携帯を駆使してテキパキと動けるためにも、平時には、よけいな仕事上の連絡は避け、部下に無用のストレスをかけないようにすることが大切なのではないでしょうか。