久元 喜造ブログ

神戸大学交響楽団サマーコンサート


家内が灘区内のパティスリーでチラシをいただいたことから、神戸大学交響楽団サマーコンサートのことを知り、今夜、神戸文化ホール・大ホールにお邪魔しました。
プログラムは、ベートーベンの「エグモント序曲」、チャイコフスキーの交響曲第4番、シューマンの4番です。
指揮は、1曲目が小川拓人さん、2,3曲目が藏野雅彦さんでした。

客席に着いて目に入ったのが、少し変わった弦楽器の配置です。
多くの場合、向かって右側に、チェロとコントラバスが陣取るのですが、きょうは、第1ヴァイオリンの右隣にチェロ、その後ろにコントラバスが配置され、第2ヴァイオリンは、右側に配置されています。
休憩時間に、音楽通の方から「対向配置」と呼ばれるタイプなのだと教えていただきました。

初めてのオケなので、耳をそばだてて、最初の音を待ちました。
バランスのとれた響きで、「エグモント序曲」が始まりました。
シューマンの4番は、大好きな曲です。
少し個性的な響きで、序奏が始まりました。
曲が内在しているエネルギーを抑えようとせず、むしろ開放し、大きな表現力でシューマンの世界を示そうとしているように感じられ、そのようなアプローチは、とりわけ第3楽章、そして第4楽章の後半で成功しているように感じました。

チャイコフスキーの4番は、まさに圧巻でした。
音楽はダイナミックに、それでいて美しく流れ、豊かな響きとともに、特有の憂愁も聞こえてきました。
第1楽章が終わった後、緊張感に満ちた静寂が会場を包み、聴衆の反応を象徴しているように感じました。

アンコールは、ハチャトリアンの「仮面舞踏会」からワルツ。
神戸大学交響楽団がその大きな存在感を示した、素晴らしいコンサートでした。