久元 喜造ブログ

豪州選挙におけるネガティブキャンペーン

8月16日のブログ で、アメリカの大統領選挙における、テレビでのネガティブキャンペーンを取り上げました。

オーストラリアでは、9月7日に連邦議会の総選挙が行われる予定ですが、ここでも、ネガティブキャンペーンは、健在のようです。

次の動画は、ケビン・ラッド首相が率いる与党、労働党が、トニー・アボット自由党党首が率いる野党保守連合(自由党、国民党)を攻撃しているものです。

労働党のウェブサイトに掲載しているもののYoutube版です。

このテレビCMでは、大まかに、次のようなことを訴えているようです。

・我々は、時間外勤務手当(penalty rates)を守ってきた。
・しかしトニー・アボットが勝てば、時間外勤務手当や休日手当(weekend overtime)が攻撃される。
・100万人以上の小売業の従業員、80万人のホテル・レストラン等(hospitality)の従業員は、賃金が減るだろう。
・標準的なホテル・レストラン等の従業員は、週60ドルも賃金が減るだろう。
・これらの懸念へのトニー・アボット氏の答えは、「我々は人気のない、痛みを伴うことをやっていく」だ。

そして、こう締めくくります。 ― 「彼(トニー・アボット)が勝てば、あなたは負けだ」と。

日本から見れば、与党とは思えない労働党の必死のキャンペーンにもかかわらず、The Australian 紙によれば、8月26日時点のの世論調査で、労働党支持が37%、保守連合支持が47%と、野党優勢のようです。

このようなテレビCMを超えた、建設的な政策論議を望みたいものです。
それには、テレビCMへの政治資金の規正などの方法しかないととしたら、少し悲しい気がします。