久元 喜造ブログ

東京一極集中是正への一歩


東京に一極集中しているお金をどう地方に移転していくのか。
年末に決定された「平成30年度税制改正大綱」の中に、このテーマに貢献する大きな改正が2つ盛り込まれました。

1つ目は、「地域拠点強化税制の対象地域の拡充」です。
「地域拠点強化税制」は、東京23区内から地方へ本社機能を移転した場合などに、企業が税制優遇を受けられる制度です。
しかし、制度創設時より、近畿圏の「既成都市区域」(神戸市では概ね阪急神戸線以南)が適用除外地域となっており、企業集積を目指すポートアイランドや三宮周辺、兵庫区南部でこの制度を活用した企業誘致を進めることが出来ませんでした。
このため、神戸市では独自の補助制度を創設する一方、対象地域を拡充するよう、国に要望してきました。
今回、近畿圏及び中部圏の既成市街地が対象地域となったことは大きな前進です。
ご尽力いただいた国会議員各位に感謝申し上げます。

2つ目は、「地方消費税の清算基準の抜本的な見直し」です。
消費税率8%のうち1.7%が地方消費税として、国から地方自治体に配分されますが、現行制度では、消費税収全体のうち75%を消費額、17.5%を人口、7.5%を従業員数に基づき配分しています。
これでは、東京などごく一部の大都市の消費額が過大に反映されることになり、これを是正するため、配分の基準において、従業員数を用いず、消費額50%と人口50%で配分するという抜本的な見直しが盛り込まれました。
神戸市では、この改正により約8億円程度の増収が見込まれます。

神戸市としても、今回の税制改正を追い風としながら、財源の確保に努めていきます。