久元 喜造ブログ

組織には多様な人材が必要。

組織ではどんな人物が好かれるでしょうか。
ノリがよく、軽やかに笑いを振りまき、周りとさわやかにコミュニケーションができるような人物。そして、当意即妙のやりとりができ、悪意に満ちた詰問にも、さりげなくお得意の笑顔でかわすことができれば、最高の評価を得ることができることでしょう。
そして、テキパキと、スピーディーに仕事が出来そうなタイプが好まれます。

自治体でも、そのような人物像を理想とし、そんなタイプの新人を採用しようとする傾向があります。それを頭から否定するものではありません。
しかし、採用に当たって、ある種の特定の人物タイプを対象とし、そのようなタイプ以外の人物を排除する傾向をはらむとするなら、それは問題があると思います。

自治体では、明るいノリで、さわやかに、テキパキと次々に物事を処理することができる職場ばかりではありません。
住民の皆さんの中には、自分が求めるものを、上手に説明できない方もたくさんおられます。辛抱強く、耳を傾ける能力が必要とされる場合も少なくはありません。
また、研究現場などにおいても、短期間に目に見える成果を出すことが求められる傾向が強まっていますが、じっくりと、粘り強く課題を研究し、解決していく能力も大切です。そのような能力を軽んじる傾向は、長い目でその組織を劣化させていくことでしょう。

神戸市のような規模の大きな自治体では、やはり、多様な人材が求められます。志が高く、公務員に求められる知識と問題処理能力を備えた多様な人材を、どのようにして採用していくのか、自治体の知恵と見識が問われるところです。