久元 喜造ブログ

ネット通販の拡大と街の賑わい

報道によれば、インターネットを使って商品やサービスを提供するネット通販の市場規模は、2013年度には、約16兆円に上る見込みだそうです。
この市場規模は、同じ年度の全国スーパー売上高の約12兆7千億円、全国百貨店売上高の約6兆2千億円を大きく上回っています。
ネット通販はたいへん便利で、サービスや使い勝手についても改善が進められてきています。
私も利用者の一人です。

消費市場全体の拡大が見込めない中で、ネット通販の拡大は、デパートやスーパーの売り上げに影響を与えていることは間違いないでしょう。また、街の中の商店は減少が続いていますが、その背景にはネット通販の拡大もあると思われます。
アマゾンによる書籍のネット通販は年々拡大しており、そのあおりを受けて、街の中の本屋さんは、次々に姿を消しています。
神戸でも、元町の老舗書店『海文堂』が昨年閉店し、話題になりました。

消費者がインターネットで商品やサービスを購入するようになれば、人は買い物に出かけることが少なくなる可能性があり、このことは街の賑わいにも影響をもたらす可能性があります。
私たちはネット時代に生きており、ネット通販がさまざまな便益を与えていることは確かです。
同時に、ネット通販が巨大な存在になってきている今日、ネット時代における街の賑わいをどのように考えていくのかは、まちづくりの重要なテーマであると思われます。