久元 喜造ブログ

「市電復活」の夢

今年、1月3日の神戸新聞朝刊一面トップに「神戸の路面電車復活調査 次世代型 全市域対象に」という見出しで、次世代型路面電車「LRT(ライト・レール・トランジット)」に関する記事が掲載されました。

私は、選挙のときの 政策 で、LRTの導入の検討を掲げていますので、なるべく早く、必要な調査を行いたいと考えています。
同時に、この記事の中でも触れていますように、都心の道路はかなり混雑していますし、LRTは、神戸にたくさんある坂道にはあまり適しません。一定以上の道路幅が必要です。
また、路面電車導入に賛成する声は多いと思いますが、いざ導入しようとすると、候補となる道路の沿道でお店をされているみなさんなどからは、荷物の積み下ろしへの影響を懸念する声が上がって来るのは確実です。
もちろん、費用対効果などから消極的な意見もあることでしょう。

新年のパーティーでは、この記事を読まれたさまざまな方から、「是非、実現してください」「いつ頃になるのですか」という声をよくいただくのですが、導入に向けての課題についてもお話しさせていただいています。

そのような中、ある方から、やはりこの記事についてのお話があり、同じように課題についてのお話をさせていただいたのですが、その方の反応は、少し違っていました。
「いいんですよ。実現しなくてもいいんです」
と、おっしゃるのです。
「・・・・・」
その方は、こう続けられました。
「市電を復活するという記事を読んだのは、ずいぶん久しぶりです。しかも、あの記事には、昔の市電の写真も載っていた。市電のことを思い出しました。懐かしかったなあ」
「娘もあの記事を読んで、昔の市電に興味を持ち、どんな電車だったの、とか、いろいろ訊くので、教えてやりました。興味深そうに聴いていましたよ。あの記事のおかげで、正月からよい家族団らんができた。ありがとうございました」
「むずかしいことが沢山あることは、よくわかっています。ですから、すぐに実現できなくてもかまわない。でも、いつか市電の復活を実現しようという夢だけは、ずっと持っていたいですね」

私は、とても慰められたような、そして、温かい気持ちになりました。
同時に、こんなに優しくおっしゃってくださる方の夢がかなえられるよう、具体的な検討作業を急ぎたいという気持ちを新たにしたのでした。