やや、個人的な趣味が入るのかもしれませんが、役所の文書には、カタカナが多すぎのではないかと思います。
とくに、国の府省は、カタカナがかなり好きです。カタカナがあふれている文書に出会うことがよくあります。
このような傾向を嫌ったのが、小泉純一郎総理でした。
小泉内閣では、経済財政諮問会議が改革のエンジンと位置づけられ、侃々諤々の議論が行われたのですが、経済財政諮問会議でお墨付きをもらうと、その後の政策展開や予算にも有利になるので、各府省とも、競って、大臣が新規施策の説明をしていました。
あるとき、某省の大臣が、新規の構想を説明したのですが、その資料に、やたらカタカナが多かったのだそうです。
説明が終わって口を開いた小泉総理は、資料の中のカタカナを順番に取り上げ、「これはどういう意味だ?」「日本語で何と言うんだ?」と質問を始めたのだそす。そして、「どうして日本語で言わないんだ」、「どうして、こんなにカタカナばかりを使うんだ?」と、ひどくご機嫌が悪く、結局、時間が来てしまって、中身の議論に入れなかったという話を聞きました。
もっとも、最高権力者からこのように言われても、霞ヶ関の文書は、相変わらずカタカナだらけで、体質の改善には、相当な努力、あるいは、荒療治がいるのかもしれません。
神戸市役所の文書は、どうでしょうか?
別に、カタカナを使っていけないということはありませんが、そのカタカナの意味するところが、市民のみなさんに、すっと理解してもらえる必要があります。少なくとも、改めて説明する必要があるのであれば、そんな言葉を使う必要はないし、むしろ、適当ではないかも知れません。
たとえば、ファシリティマネジメントは、どうでしょうか?
神戸市のホームページ を見ると、「最適な日常管理」「最適な保全整備」「最適な資産管理」から成り、それなりに、内容のある言葉のようですが、市民のみなさんにとってわかりやすいかどうかは疑問です。
「施設をしっかりと点検し、維持・補修して、神戸市の資産を最適の状態に保ちます」と説明してはいけないのでしょうか。
デザインクリエイティブセンター という名称も、あまり市民の間に定着しているとは言えません。
いったんつけた名前は、そう簡単に変更する必要もないと思いますが(2013年7月12日のブログ)、最初に、施設の名称をつけるときは、ふつうに口に出せるような言葉にしたいものです。