久元 喜造ブログ

組織に帰属するということ。

きょうは、神戸市役所に採用された、351人の新人のみなさんの入庁式がありました。
凛とした雰囲気が漂います。
たくさんの可能性の中で、神戸市役所で働くことを決断した新人のみなさんと向き合うのは、私自身、緊張する瞬間です。

私は「組織に帰属して社会人としての人生を歩むことを決断されたみなさん」に、「私たちの組織を、覚めた目で客観視するのではなく、自分のものとして、向き合っていただく」ことを求めました。
なぜなら、「組織に帰属して生きていく人間」は、組織によって生かされているからです。
組織が素晴らしければ、みんなが自己実現を図ることができます。
逆に、組織が堕落し、疲弊していれば、その組織の人間には、災厄が降りかかります。
新人のみなさんも、私たちの組織のありように着目し、不断に、組織の改革に取り組んでくれるよう、呼びかけました。

もちろん、組織に帰属して生きていくことは、組織に自らのすべてをゆだねることを意味するわけではありません。
組織の側が、組織の構成員に、画一的な行動様式や価値観の共有を求めるベきでもありません。

私は、新しく仲間になる新人のみなさんに、周囲に迎合することなく、自分の個性、価値観、想いを大切にしてほしい、と呼びかけました。
画一的な価値観で染め上げられた組織は、一見、統率がとれているように見えて、実は、弱いものです。

「ひとりひとりの音色を大切にし、異なる音色が響き合って、ハーモニーを奏でるようになればうれしいですね」
自分なりに、新人のみなさんへの期待を述べました。