久元 喜造ブログ

ニューヨーク市長の交代

11月5日に行われたニューヨークの市長選挙では、民主党の新人、ビル・デ・ブラシオ氏が、共和党のジョセフ・ロータ氏を大差で破り、当選しました。
3期務めたブルームバーグ現市長の後を継いで、ニューヨーク市長に就任するのは、来年の1月1日です。

デ・ブラシオ次期ニューヨーク市長が就任までに行わなければならないのは、ご多分にもれず、人事です。
大統領が交代すると、ホワイトハウスのみならず、連邦政府の各省の幹部が大幅に入れ替わることはよく知られていますが、ニューヨークのような「強い市長制」(strong-mayor form)の形態をとる自治体でも、市長が交代すると、かなりの数の高級幹部が入れ替わります。

米国の自治体事情に詳しい友人の正田譲さんによれば、ニューヨーク市の職員は、約29万5000人(フルタイム及びパートタイム)(2013年6月30日現在)ですが、このうち、市憲章(New York City Charter)で、市長により政治任用される高級幹部のポストは、副市長、法律顧問、報道官、教育総監、警察総監、消防総監、各局長など120余りのようです。
実際、これらのポストに就いている幹部は、市長が交代すると、ほとんど全員が入れ替わるようです。さらに、局長の下の中堅幹部クラスも、市長の交代を契機に自発的に辞めていく例も多いようで、市長が交代すると、かなりの人数の幹部がニューヨーク市を去り、新しい人材が大量に入ってくることになります。

今回の選挙後においても、ブルームバーグ現市長によって任命された副市長、各局長などの多くは、既に次の仕事に転職しており、歯抜け状態だと言います。また、中堅の管理職レベルでも、民主党市長をいやがってどんどん退職しているようです。

市長の交代に当たっては、一種の政権移行チームがつくられるようで、デ・ブラシオ次期NY市長は、4人を指名してチームをつくり、就任に向けて準備しています。
次期市長と政権移行チームの最大の仕事が、政治任用による人事であることは、言うまでもありません。