6月17日のブログ に続き、「特別自治市」について記します。
知事会などが問題にしている府県との関係です。
「特別自治市」が創設されれば、都道府県財政はマイナスの影響を受けるのではないかという指摘があります。
この点については、事務の移管に伴って「特別自治市」において増加する経費と、移管される道府県税の額を算出し、シミュレーションを行って判断していくことが求められます。
その上で、一般論として言えば、現行の指定都市は、都道府県の事務を広範に処理しているにも関わらず、これに必要な税制上の手当はほとんど行われていません。
このため、平成24年度においても、すべての指定都市が地方交付税の配分を受けていて、不交付団体はないのです。
したがって、「特別自治市」に事務権限を移譲するのに対応してすべての道府県税を移管しても、「特別自治市」の側に大きな財源余剰が生じるとは考えにくいと思います。
仮に「特別自治市」の財源が、事務との関係から見て今より増えるようなことになれば、地方交付税によって財源調整がなされますし、それでもなお都道府県に財源不足が生じるようなことがあれば、「特別自治市」と都道府県との間において、個別の財政調整が考えられてもよいでしょう。
いずれにしても、「特別自治市」創設に伴う財政問題は、冷静にテーブルについて議論すれば解決できる課題だと考えます。